劇場公開日 2014年5月31日

「客観的過ぎる」サッドティー ニックルさんの映画レビュー(感想・評価)

1.5客観的過ぎる

2020年3月1日
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難しい

『愛がなんだ』、『パンとバスと2度目のハツコイ』と続けて観てから鑑賞。
まず、すべての人間関係がこの群像の中で完結するという所に違和感。特にアイドルの追っかけまで知り合いの範疇というところ。

上記2作はアメリカ映画的なものを色んな層において回避しながらも、あくまでもエンターテインメントとして恋愛を描くという意志があった。
『サッドティー』は映画監督で言うならカウリスマキとかジャームッシュ、山下敦弘の初期に近い所で作られていて、完全に自分の好みではない。この登場人物の誰のどの部分に作品として肩入れするのかが見えてくるのが非常に遅く、序盤は撮り方次第では面白く見せられるやり取りが死んでいるように自分には思われた。

イーブンな恋愛関係なんてありえないですよねということを客観的に語られても、「そうですか」としか感慨が沸かない。監督は本気でそれを面白いと思っているのだろうけど、映画にするべきはその観念ではなく、そこから導かれる具象であるべきだ。

ニックル