鉄くず拾いの物語のレビュー・感想・評価
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鉄くずの様な映画だ
鉄くずの様な映画だと思う。どうしてこんな気味の悪い映画を作ったのだろうか?
ドキュメンタリー映画の反則行為で許される範疇ではない。
こう言った映画の存在を許してしまうと、今まで見たドキュメンタリー映画も疑いの目で見てしまう。それが『演出である』と断っても駄目だ。二、三年前に見た『ハニーランド』と言う映画もそうだったかもしれない。いい映画と思いたいが、この映画は、こんな深刻な話をドキュメンタリー風に演出しているのだから『蜂蜜の行方』位ならいくらでも演出出来る。(ハニーランドはマケドニア共和国でしたね)まだ、映画やっている。過去の経験を言葉で語って、現実を訴えるのなら許せるが、昔の出来事を当事者に演じさせている訳だから『問題は解決した』と語っている。とんだ予定調和なノンフィクションって事になる。全く緊張感が無い。
因みにアメリカでの出産費用は1万8千ドルだそうだ。日本円にして260万円!ボスニア・ヘルツェゴビナの980マルクを訴える前に『Dr.エック○』を使って、アメリカの現状を完全なフィクションで描いた方が心が動く。
まだ、やっている。演技が鼻につく。結局、彼はアカデミー賞を貰って、豪邸にでも住んでいるのだろうか?鉄くず拾いはいつ出て来るのだ?
愛妻家の冷えた手
出来ることをひとつひとつ淡々とこなしていく、愛妻家の夫の背中をホームビデオで追うようなドキュメンタリー映画です。
金を払わなければ手術はしない、どんな理由があれ電気は止める…。(手術は自費で、日本円にして6万円ほどです。)
単に貧困に喘ぐ家庭の話と思って観ていましたが、ロマ族への凄まじい差別の一片として認識すると、複雑な現実のように思えました。戦時中のほうがマシだったという言葉に、日々の静かな辛さが伝わって来ました。
素手で車の窓ガラスに積もった氷雪を拭き、息で手を温めながら蒔きを割り、雪山から鉄くずを探し出す夫の手の冷たさ。手が冷たいわ、と振り払う妻の言葉に、幸せそうな笑みで回復中の妻の肩に寄りかかる夫。妻を想ってその手は凍っているのです。
元気でやんちゃな姉妹が可愛いです。次女?のSandraは常に目をくるくるさせて楽しそう。でも流石にママがオペ中の時だけその大きな瞳が不安げでした。
大雪と、ご近所・親戚・家庭の温かさが対照的でした。この温もりと笑顔に希望を託したいです。
どうりで切実さが半端ないなっと感じた映画
たまたま深夜にTVでやっていたので、一期一会とばかりに見てみたら・・・貧困問題の切実さに身をつまされる思いになった。
なんと言っても、その見事なまでの貧困演技やったなっと思っていたら、当事者=演技経験なし出演作だったとは!?
貧困でない笑顔。
2013年のベルリン国際映画祭で、見事3冠に輝いた作品。
D・タノヴィッチが、母国ボスニアの新聞記事を目にして
その怒りを原動力に撮りあげたという渾身の一作。
出演する夫婦が当事者というドキュメンタリーでもある。
鉄くず拾いとは何ぞや?と思えば、生活の為に車を解体し、
その鉄材を売って生計を立てている人々のことだった。
いかにもな映像のその先に見えるのは、彼らがロマ族である
という意図した差別があり、それによって治療拒否される
(保険証がないから高額費用が払えない)といった酷い現実。
貧しいながらも誰に迷惑をかけるでもなく、静かに暮らす
彼らの生命を脅かす権利など果たしてあるのだろうか?と、
安穏と日本で暮らす自分には衝撃映像であったが、逆に
彼らの幸せな笑顔には一体どちらが貧困か?と唸らされた。
それにしても、大事な交通手段である車を壊してしまったら
どうするんだ?この先。と心配で堪らなかったのだが、
彼らは今作の受賞で保険証と夫の定職を手に入れたらしい。
良かった、家族の為にこれからも頑張れ。ナジフ!
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