プリズナーズのレビュー・感想・評価
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どうしても気になる脚本の粗
『灼熱の魂』のドゥニ・ヴィルヌーヴのハリウッドデビュー作。
正直、前作のような衝撃は感じられず。サイコミステリーとしては、然程新鮮味はない。(ハリウッドデビューで監督にもたらされる豪華なキャスティングが、キャラクターの役回りを予想することを容易にしてしまう。)
多分脚本家の狙い、言いたかったことは、苦難に見舞われた時に、人間はどんなふうに罪深い存在になれるのか?ということではなかったかと思う。
ただ、言いたいことを伝えるためのシーンがどうにもご都合主義に感じられてしまう。
ロキ刑事がいつも単独行動なのは、犯罪捜査ものとして相当違和感があるし、人格者であるように見えるケラーが一線を越えるに当たり(単独でも十分可能なのに)友人を巻き込むのも解せない(同じ悲劇に見舞われても反応の仕方は違うことを際立たせたかったのだろうが)し、「常に非常事態に備えよ」と息子に言って聞かせているケラーが、安易に犯人の元に乗り込み、“背中を向けて”、真実を知っていることを告げるのは余りにも“備えていない”!
ラストシーン、現場で作業している警察関係者がうじゃうじゃいただろうにあの時点まで誰もケラーの存在に気づかなかったのもおかしい。その他にも解せないところが多々ある。
実は二度観たのだが、観れば観るほど粗が見えるのは如何ともしがたい。
ロジャー・ディーキンスが切り取る身体が芯から冷えてくるような重厚な映像、ポール・ダノの怪演、ジェイク・ギレンホールのセクシーなみだれ髪など見所もあるので、どうしても脚本の粗が気になりました。
演技派共演で盛り上がり最高。
調べるとかなり宗教的な映画でした。
実はこの映画を観てふに落ちない所があって
後で調べてみたらかなりの宗教映画でした。
神VS悪魔と異教徒関連の映画でした。日本ではあまり宗教(神と悪魔)の知識が薄いせいかこの映画での表現が無さすぎて所々?って感情になる。宗教的映画って事を知らなければただの誘拐事件で父親が暴走してそれが正義か負か的な映画に見えがちだが観る前に正義VS悪魔と異教徒だけでも知って観るとかなり印象が違うと思う。とは言っても最初の冒頭でも神的なセリフは出て来るが基本ハリウッドや北米映画には少なかれ宗教が関わるからいつもの事かなぐらいしか思わなかった。この基本情報を知ってる知らないでかなり感想も変わってくるので内容の良さはなんとも。1つ言えるのはこの映画の表現力は難しい。真剣に観ないと理解出来ないと思う。
ビルヌーブ監督作は見逃せない
意外とまとまる所にまとまった感
見てる途中で思ったのが、「ミスティック・リバー」と展開が似てるな、ってこと。
しかし、ミスティック〜とは違い、因果律の観点からは意外とキレイに収まるところに収まったなって感じた。
悪人は死に、善人には日常を回復させ、ギレンホールは人間的に成長し、ジャックマンは罪の禊も終え、ハッピーエンドの大団円。
因果律がメチャクチャでモヤモヤの残りスッキリしない、恐るべき「ミスティック・リバー」のリアリティーに比べ、かなり御都合主義的だけど、ミスティック〜と比べるのがそもそも酷だろう。
怖面白かった。
ジェイク・ギレンホールに間違いなし
面白かった。そんな期待もしてなかったけど、スゴく良かった。親目線で観ると胸が締め付けらる二時間半だけど、展開が読めずにあっという間だった。
マッチョでメンタルの強い一見憧れの親父だけど、俯瞰で見ると行き過ぎてて結構ヤバいなと自分の目指す父親像はこれではないなと感じた。
ジェイク・ギレンホールの瞬きを深くする演技が面倒くせぇ集中しろ問題を解決するんだと考え込んでるようで信用できるなと思わせた。
一つ分からないのが、黒人の女の子が見つかり「あなたも居た」と言うのがいつのどこの話なのだろうか?
自分の信じた家族にはもう戻れない憐れな父親の事よりそこが引っかかって抜け出せない自分の馬鹿さに凹みました。
苦い人間ドラマ
私も子供がいるので、同じ立場になったら主人公と同じ事をしてしまうかもと、見ていて怖くなりました。親の愛という絶対的なものさえ、間違った行動を生む、辛辣な映画でした。
主人公が、最後、穴に落とされます。日頃の心掛け<常に備えよ>が活きて、彼は笛を持っていました。それを鳴らせば、助けがくる、良かった!という見方の人が多いようですが。
笛のおかげで主人公の命は助かるかもしれませんが、家に帰ったところでどうでしょう。家族や隣人との信頼関係は壊滅状態です。主人公の<常に備えよ>に集約されるようなマッチョな父権主義に、周りの人々は呆れ恐れています。
主人公の絶対的な主義が、不要に人を傷つけ、事件のレッドヘリングになっています。<常に備えよ>を見習おうという映画ではなくて、そういった盲目的な主義や正義は怖い、そこを描きたかった映画だと思います。
主人公への違和感は、実は冒頭の家族パーティーの時点で描かれています。そういった細かい点を見逃してる方は、最後、謎が解けてスッキリという感想を持たれるのでしょう。
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