「「赤とんぼVSカチューシャ」「カチューシャ = 赤とんぼ」」ジョバンニの島 shimoさんの映画レビュー(感想・評価)
「赤とんぼVSカチューシャ」「カチューシャ = 赤とんぼ」
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映画「ジョパンニの島」(西久保瑞穂監督)から。
「北方四島における実話をもとに、ソ連軍の進駐によって
引き起こされる色丹島民たちの過酷な運命を描いた作品」、
には違いないが、私の胸が熱くなったシーンは、
戦争とは無関係な両国(日本とロシア)の子供たちの様子。
最初は、自分たちの学校の教室を明け渡して、
対抗的だった日本の子どもたちは「自国の歌」(赤とんぼ)を
隣の教室のロシア兵の子どもたちに聞こえるように大声で歌う。
ロシア兵の子どもたちも、負けじと「カチューシャ」を歌う。
それを繰り返しているうちに、お互いの国の歌を覚えてしまう。
ついには、敵対している国の歌を、大声で歌うシーン。
全体の物語には直接関係ないことなのかもしれないが、
私がこの作品を思い出すには、このフレーズで充分である。
「赤とんぼVS カチューシャ」「カチューシャ = 赤とんぼ」
相手国の言語で覚えてしまう、子供たちの頭の柔らかさに、
戦争は、大人たちのエゴが引き起こした事件であり、
被害者は、何も知らない子どもたちだと悟った作品である。
P.S.
ラストシーン「銀河鉄道の夜ってどんなお話?」の問いに、
「死んだ人はみんな天に昇って、夜空の星になる。
星は、無数に限りなく、明るく降るように光り、
その光に照らされて、僕たちは今、こうして生きている。
そういうお話なんだ」と答えた主人公のひとり、純平。
う~ん、わかりやすい。
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