「ブラックな下品が満載。」アイム・ソー・エキサイテッド! ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
ブラックな下品が満載。
アルモドバル監督の原点回帰?作品になるらしいが、
あまり初期の作品を観ていないので、その傾向が分からない。
とりあえず彼のコメディなんて観たことがなかったので、
興味津々!絶対観てやるぞ!と意気込んで(爆)観たものの、
おそらくは酷評で埋め尽くされているレビューを読んだ方が
楽しめるだろう、という珍品に仕上がっていた。
これはこれでアリ?なんだろうけど、最近の作品との振り幅の
凄さに、ただただ驚く。鬼才?名匠?いや、ただのヘンタイか。
ちなみに監督は元々ゲイなので、そういう描写はかなり達者。
今までの作品でも、その要素は如何なく発揮されていたので
それはそれで由として、今回はそれをおっぴろげた感じかな。
日本人には下ネタの下品さが、かなり鼻につくと思う^^;
平たくいうと(ご本人には失礼極まりないのですが)
マツコとミッツとダイアナが客室乗務員で、周りには三輪さん
とか羽賀研二とかスピリチュアルなのがいて、パイロットには
元KAT-TUNの田中とかクリス松村あたりを当て込んだ感じかな。
ヘンタイ揃いの空中活劇なんだけど、まったく浮遊感がない^^;
空を飛んでいる?空中パニック?などはゼロなのであしからず…。
大物登場といえば、冒頭にバンデラスとペネロペがカメオ出演。
あとでまた出てくるのかと思いきや、それだけかい!?という、
(原因を作ったのは彼らなんだけどね)ホントふざけた設定構成。
ただ、しっかり当て込んで作った下品さは天下一品で、
笑いどころなんてないじゃないか!というほどに滑りまくるも、
お得意の情念ドラマで中盤からグイグイ惹き込んでくる。
徹底したコメディにもならず、いつものドラマ重視にもならず、
ダンス!(これを期待していたのになぁ)もそれだけ?という感じ。
イロイロ魅せようとして、どこも中途半端になってしまったのが
下品さをさらに際立たせてしまったような感覚。
ま~でも多分、真面目に作ったのではないと思うんだけどね^^;
(どう見ても低予算)
オカマに扮した3人は巧い。ダンスもなかなか見事だった。
使われた楽曲はポインター・シスターズのタイトル曲。当時よく
聴いたポップスなので、できればもっとそっちを観たかったな。
(毒気満載、下品満載、ポップでカラフルなオカマ満載、5時夢か!)