「原作の重さと比較して・・・」風の谷のナウシカ よしさんの映画レビュー(感想・評価)
原作の重さと比較して・・・
環境破壊により「腐海」や「蟲」が発生した遠い未来。辺境の小国の王女「ナウシカ」が、大国の思惑に翻弄されながらも国と自然を守ろうと戦う物語。
アニメ映画のエポックメイキングな作品だと思います。
「さらば宇宙戦艦ヤマト」「ガンダム3部作」。アニメ映画が、一般社会に注目されることは少なからずありました。ただ、それは「アニメが盛り上がっている」という注目でしかありませんでした。
「風の谷のナウシカ」は、アニメ映画として初めて作品として注目され、評価された作品だったと思います。
その後のジブリ作品の端緒であったことも含めて、素晴らしい影響をもたらした作品でした。
ただ、映画自体の評価としては、最高評価は控えました。
コナンやルパン三世の冒険活劇の魅力はそのままに、メッセージ性を付加してよりハードな作品に仕上がっています。メーヴェやガンシップの空中戦のスピード感、巨神兵の迫力や展開も見事でした。
しかし、どうしても、宮崎駿前作である「カリオストロの城」との比較をしてしまいます。
そして、どうしても原作とも比較してしまいます。
特に、原作との比較は、私にはとても大きく感じました。原作の「メッセージ性の高さ」、「リアルさ」、「ストーリーの重さ」は、そのままこの映画の軽さを意識せざるを得ませんでした。特に、ラストの展開はやや鑑賞者に迎合しているようにすら感じ、評価を下げた大きな要因です。
個人的には、原作を忠実に映像化してもらえたら、最高だと思っています。3部作位なら忠実に再現出来そうに思えますが・・・もう難しいのでしょうね。
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