劇場公開日 1984年3月11日

「幼い頃、TVの金曜ロードショーで見た。たぶん生まれて初めて見た映画...」風の谷のナウシカ mary.poppinsさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0幼い頃、TVの金曜ロードショーで見た。たぶん生まれて初めて見た映画...

2020年7月27日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD、映画館、TV地上波

幼い頃、TVの金曜ロードショーで見た。たぶん生まれて初めて見た映画だった。
まだ理解できない部分も多かったとは思うけれど、強い衝撃を受けて感動で号泣した。
優しく強く勇気あるナウシカに憧れた。
そして、とてもこわがりだったのに、「虫もみんな同じ命! 怖がらないで好きにならなきゃ!」
と決意し、虫も 暴れる動物も さわれるようになった。ナウシカのおかげ。
ジブリ作品の多くを映画館で見たけれど、公開当時に産まれてなかったり幼過ぎたりして、見れなかった作品もある。もちろん、大きくなってから金ローやDVDで全部見てるけど。
ジブリ作品は全部、映画館の大画面で見たいなーと夢見ていた。
大人になった今、映画館でナウシカを初めて見ることができて、嬉しい!

映画館で見て 大画面だからこそ気づけたことがいくつか。

植物の胞子は皆 種により色々な形や色をしていた! TV画面ではどれも小さな白い粒にしか見えてなかった。細かいところまで丁寧に美しく描きこんである。さすが!

ナウシカの着たペジテの赤い服が、王蟲の子の体液で青く染まる場面。TV画面より色が見えやすかった。TVで見た時は、夜の暗がりでいつの間にか色が変わった?いつ着替えた?と謎に思っていた。
幼かったから余計、アニメ絵本版で「ナウシカの服が、王蟲の子の体液で青く染まっていきます。」と説明されてるのを見るまでわからなかった(笑)
かなりセリフも覚えているが、映画を見ながら心の中で同時にセリフを言っていると、いくつか違う部分があった。どうやら私は、補足説明でセリフが少し足されたアニメ絵本版で覚えていたらしい(笑)
エンドロール、アスベルはユパと共に、クイトカイに乗って旅する姿が見れた。映画では活躍の少なかったアスベルだが、王族の跡継ぎとしての地位にすがるのではなく、自国ペジテだけでなく世界全体の幸せへと目を向け、ユパの弟子になり世界のさまざまな謎について学ぶのだろう。
そして余談だけど、後に再び声優松田洋治がアシタカを演じるのだ。アスベルもアシタカも、明日を感じさせる良い名だな。

この作品は、とにかく、凄い。
確か1984年? 日本はみなバブル経済で浮かれていた時代らしい。
そんな時代に、たった一人、誰もまだ気付いていない環境問題を深く考え、
世界への警鐘を鳴らした、宮崎駿氏の思想と世界観。
時代が早すぎた、恐ろしいほどの慧眼、洞察力。
そして、アニメ映画としての、魅力的な登場人物達の躍動感と、生き生きした声、
美しい音楽と 幻想的な絵の融合。
本当に、歴史に残る名作。

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