「密室心理ゲームのスタート」人狼ゲーム kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)
密室心理ゲームのスタート
あらかじめ個々に配られたカードによって人狼と村人が決められた。夜9時には車座になって多数決により人狼を殺さなければならない。そして人狼は2人で相談して深夜0時から2時の間に村人を一人殺さなければならないというおぞましいゲームなのだ。
『バトルロワイアル』から何度か不条理な殺し合いの映画は作られてはきているが、「戦争でも敵を殺すのに躊躇して殺せなかった」などという台詞とは裏腹に青酸カリを飲ませる残酷さを描き出している。しかし、ストーリーは生き残りたいがために他人を殺すという罪悪感までは描き切れてなく、自分が人狼に選ばれたときの心理だけが妙に生々しく映る・・・
王様ゲームなんてのも映画化されているらしいが、こんな映画や小説・漫画が売れるなんてのも世紀末っぽい思想が蔓延してるんだな。まぁ、誰が嘘をついてるかとか、論理的思考で解き明かしていく醍醐味はあるにはあるが、殺人を躊躇することもない点ではやはり嘆かわしい(おっさん臭い感想やな)。
ラストに村人として勝ち残った仁科愛梨(桜庭)と井上真理絵(藤井美菜)の妹である井上このみ(竹富)。TV画面に映し出される「お疲れ様でした。前半戦の終了です」というメッセージの虚しさ。二人がまた同じゲームに参加しなければならなくなり、今度は愛梨が人狼のカードを持つというオチだ。1億円もらえるなんてのはとんでもない話であり、友宏(太賀)と真理恵が2回目の参加だった話も恐ろしい。2回目だから預言の方法を知ってたってことね・・・。巻き戻して最初から見ると、各々のリアクションがよくわかる仕組みにもなってる。
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