劇場公開日 2014年3月19日

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「色々なモノを背負って身動きが取れなくなっている人の背中を押す作品でした。」LIFE! Opportunity Costさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0色々なモノを背負って身動きが取れなくなっている人の背中を押す作品でした。

2014年4月10日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

良かった。

現状に満足していない。
しかし迷いや不安があり行動が起こせない。
そんな人達の背中を押すような作品でした。

話自体は単純。
殻に籠ったウォルターが空想の力をポジティブに使いつつ行動を起こす。
新たな行動は次の行動に繋がり刺激的な展開へと転がっていく。
周りに流されていたウォルターが自ら考えて自ら行動することで新たな世界が開けていく。
粗筋を聞いて皆が想像する方向へと話が進んでいくため安心して観ることが出来ます。

本作の良い所はウォルター自身が思い切って背負っていたモノを一旦下してみる、その姿も描いた点にあると思います。
その解放感。自分独りで背負う必要はなかったんだと気付く安堵感。
本作のウォルターに共感するのも彼が色々なモノを背負って身動きが取れなくなっているからだと。
兎角、色々なモノを背負いがちになる昨今。
思い切って下してみても良いんじゃないかと背中を押している点が良かったです。

映像も非常に綺麗で巧い。
ウォルターの現実と空想の切れ目が滑らか。
中盤以降は現実と空想の違いが付かなくなり刺激的な現実の実感がより高まりました。

また台詞では出さず、街の背景に織り込まれた本作のメッセージ。
LIFE誌の社訓のようなメッセージが流れる映像は非常に巧かったと思います。
映像内の物体(人物/自動車 等)の動きに付いていく目線の流れがメッセージに気が付き、その目線の流れのまま読めてしまう。
不自然な文字情報を自然に受け手に送る手法、良かったです。

冒険舞台のパターンが少なく場所が変わっても新たな刺激が薄い。
話の展開が幾らなんでもご都合主義的過ぎる、等の残念なポイントはありましたが気負わず観れる良い作品だったと思います。

オススメです。

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Opportunity Cost