「だまし絵に迷い込んだよう」LIFE! マスター@だんだんさんの映画レビュー(感想・評価)
だまし絵に迷い込んだよう
日々の暮らしに変化のない、地味で平凡で内気な男ウォルター。だが、空想の世界の中での彼は逞しく強く行動的だ。
オープニング・クレジットはウォルターのように街に埋もれて見つけづらい。だが空想の世界に入ったウォルターは、スーパーヒーローものばりに街中を駆け、飛び回る。
1コマのネガの行方を追ってグリーンランドに旅立つのも、現実なのか空想なのか区別がつかない。
次から次と奇想天外な展開で、この区別がますます難しくなる。だまし絵の中に迷い込んだような映像体験だ。
シャーリー・マクレーンが「バーニー/みんなが愛した殺人者」から2年ぶりに顔を見せる。若いころの作品はテレビ画面でしか見たことがないが、往年の銀幕スターが元気な顔を見せてくれるのは映画ファンとして嬉しい。
2007年に休刊になった写真主体の世界的な報道誌「LIFE」。その最終号の表紙となる写真を巡る作品だけあって、コダクロームの色調を意識したポスターもいいが、トライ‐X調のモノクロ写真で最後を飾るあたり、グラフ誌「LIFE」へのオマージュを感じる。
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