「すてきな『ぼんやり』の時間」LIFE! ポップコーン男さんの映画レビュー(感想・評価)
すてきな『ぼんやり』の時間
基になった『虹を掴む男』はみていません。
世界的に有名な『LIFE』誌、読んだことはないが、何度も書店等で見かけたことがあった。確かに意識したことはないが表紙はスタイリッシュというかメッセージ性が高いフォトが選ばれていたような気がする。
今作はそのネガが見つからずに右往左往する主人公のお話。
冒頭の冴えない、引っ込み思案の描写なども面白いが、しばらくの間はモノクロのような配色のシーンが続いていた(着ている服や家具等も統一感があった)しかし途中から本当に世界中の美しさが次々に映し出され、これでもかと自然の美しさ等をみせつけてくれる。
他の方も絶賛していた洋楽は全くわからないので、聞き流していたが楽しめる人には良い選曲だったのだろう。
主人公のウォルターは妄想癖(ぼんやり)が多く、このぼんやりは途中で「ちょっとしんどいかなw」と感じていたが、誰も傷つけず、一時的に自分の脳内に飛んでいくような手法は共感できる部分などもあり効果的であった。(途中からは妄想を現実がぶっ飛んでいくw)
引っ込み思案で仕事もダメって感じかと思ったが、仕事は実直に行い、芯もしっかりとしている人物像は日本人の多くが共感できるだろうし、途中からはネガの行方どころかウォルター自身の行く先が少しずつ気になっていた。あとスケボーウマすぎw
作品の中で嫌なヤツはでてこず(再編担当のテッドも最後の最後には、、)また人生のワンシーンが1枚、1枚がフォトなんだと暗示しているのか?とも感じ取られた。
ショーンのあえてシャッターは切らないと言うセリフも非常に納得がいった。
そして笑いのセンスもさすがと言わせる内容でニヤニヤしながら見入ってしまった。
そして出会い系みたいな(Eなんちゃらw)のトッドにも毎回笑ってしまった。
まさか出てくるとは、しかもカスタマーの人間でしょ?wどこまで仲良くなるのよw
途中までは少しダラダラしてしまう部分もあったが、途中からラストに向けての流れが秀逸でウォルターとシェリルの仲もついつい応援してしまう。
ラストは非常に素敵であり、勇気を貰える作品であった。
ウォルターのぼんやりも少しずつ減っていくだろう。