「homage to LIFE」LIFE! everglazeさんの映画レビュー(感想・評価)
homage to LIFE
17歳で父親を失い、その2日後にはバイトを始めて家計を支えてきた主人公Walter。通帳と睨めっこし、高齢の母親と女優の夢を追いかける妹の生活の面倒をみています。度々ぶっ飛んだ妄想に耽ける彼ですが、父親の死以来、恐らく夢を諦め、家族のため地道に働かなければならなかったからだと思いました。
LIFE magazineの専属カメラマンSeanは世界中を駆け巡り、正に人生の一瞬一瞬を謳歌している人。一方、ネガ管理を仕事とするWalterは、Seanの写真を通してでしか世界を見ていませんでした。最後まで直接会うことがなかった彼らですが、仕事への熱意と誠意を通して信頼し合っていた二人の対比が良かったです。
最後の表紙を飾るモデルは何も幻の生物ではない。生きるために精勤する人々の人生も立派で美しい。「美しいものは注目を求めない」と語るSeanの言葉と重なります。
生産性や効率化を重視するあまり、見失うものは計り知れない。よく扱われるテーマですが、LIFE magazineに恥じることのない素晴らしい風景を舞台に、社の理念をひとつひとつ体験していくWalterの変化は観客の目にも明らかです。Ben Stiller流のお笑いノリで進むので、まさかの妄想オチか?と心配になるくらいの冒険でした。
メッセージが映り込んだ背景や音楽も良かったです。
挑戦は大事。必要なのは少しの勇気?仕事への情熱をほんの少し冒険に注いでみますか?
"The Quintessence of Life"
"To see the world, things dangerous to come to,
to see behind the walls, to draw closer,
to find each other and to feel.
That is the Purpose of Life."
"Beautiful things don't ask for attention."
"If I like the moment... personally, I don't like to have the distraction of camera. I just wanna stay in it... yeah right there, right here."