「とってつけた感の背後にほの見えるフェミニズム」子宮に沈める 徒然草枕さんの映画レビュー(感想・評価)
とってつけた感の背後にほの見えるフェミニズム
作品の内容を要約すると、
シングルマザーの育児奮闘記+『誰も知らない』幼児版+子育て女性の転落ドラマ
ということだろうか。
どれも数多くのフィクション、ノンフィクション等で取り扱われているテーマだから、今さらテーマ的に新鮮さはないが、2つの点で新味を出そうとしているのが感じられる。
①全編がアパートの室内のいくつかの視角から固定カメラで撮影したことで、ドキュメンタリー要素を出している。確かに子役の演技などは非常によくできているのだが、それ以上のものではなく、後半は退屈してくる。
②シングルマザー、子育て、仕事、異性関係を全部一緒にくるんで、それを「子宮という業に引きずられる女性の姿」という視点でまとめている。しかし、いかんせんとってつけた感は否めず、その背後には子供を女性の子宮の産物というフェミニズムで見る軽薄な視線があり、どうにもいただけない。
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