もらとりあむタマ子のレビュー・感想・評価
全68件中、1~20件目を表示
自然消滅って…久々聞いたわ
「その時がきたらやるよあたしだってーっ!!!」
「いつだよ!?いつなんだよ?」
「少なくとも…今ではない。」
(顔芸対決)
このやりとりに毎回大爆笑www
セリフのセンスが良すぎるし、そこまで何も起こらないのに何でこんなに面白いんだろう?
お父さんが大好き!!!こんなお父さんいいなあ〜
やる気出したって聞いて時計買ってあげたり…
(海外旅行)父さんと行くか!?って思い切って言ってみるのとか可愛すぎる。
タマコの「(お母さんの旅行は)大人ばっかだよー?」が、大人の自覚のなさをサラッと表してます。
タマコのやることなすこと愛おしくてもう…。
「もうやだー!全部やめる!全部やめてやる!」
「可愛いって、タマ子!全然いけてるって!」
「それがやなの!そーゆーのが嫌なのー!!!」
「タマ子!?タマ子ー!!!!!!」→履歴書www
このくだりも何回見ても笑ってしまいます、、
タマ子の手先になった中学生が「アクセサリーに…すごく…興味があって…」とかも、見れば見るほど笑える箇所が増えていく…
じゃんけん灯油とか、ハンバーグは!?とか、親戚からみかんもらうとか、ささやかな家族の思い出を書くのがうますぎて、目頭が熱くなってしまう。
アクセサリー教室の女の人が出てきて焦るタマコの気持ちが伝わってくる。私の安住の地が危険!というのと、また両親と暮らせるかもという微かな期待。
それは最後に打ち破られる。立ち止まってるのはタマコだけ。と母親は言う。そもそも家族がこうなったのは母さんが悪いんじゃん!
でも、ハァ…母さんだって悪いと思ってるのよ?タマ子だけよ〜そんなこと言ってんの〜とか言われると
もうなんも言えないよね。
平和な中につきつけられる、ままならない現実…。
お父さんの作る丁寧な料理にほんと癒される。
咀嚼音がダメって人いるけどむしろこの咀嚼音が好き!
東京行ってからもほどほどにダメなタマコが目に浮かぶなぁ笑 タマコいなくなってからのお父さん、さみしくてしょうがなくて犬とか猫飼っちゃうかも…笑
しかしあの中学生もいい演技しますよねー。
ちらっと出てきたタマコの同級生も、2012年の大学生〜って感じですごい良いんですよね。
スマホに社会がどっぷり浸かるぎりぎり前の、のほほんとした世界。
必見です!
四季を通して描かれる父と娘の愛の物語。
たまこは23歳、けして十代の女の子ではない。大学を出たにもかかわらず、就職もせず、実家で毎日ゴロゴロしている。そばで忙しく仕事や家事をする父をしり目に。
彼女にとってはその居心地の良さが自分をダメにしていることが分かっているが、どうしようもないのだ。この居心地の良い沼にずっと浸っていたい。そんな彼女に小言を言う父だが結局は娘可愛さに何も言わない。
この父と娘の関係はいわば共依存の関係。父は娘をそばに置いておきたい。その思いについつい甘えてしまう娘。お互いこのままの状態が居心地がいいのだ。
しかし、父の再婚相手を探る娘を見て、父は家を出るように言う。さすがにこのままではよくないと思った父。
娘にとっても父にとってもこのまま共依存の関係を続ければいずれは共倒れになる。娘は自立ができなくなり、父は年老いていくのみ。
そんな父の気持ちを察した娘は父に合格と言う。
これは何気ない自堕落な娘の日常を描いてるようで、その実、親子の深い愛情物語だと思った。何気ない日常こそがいかに貴重で尊いものか。それは年齢を重ねればわかるもの。本作はそんな年齢を重ねたものにほど刺さる愛の物語。
互いを思い、互いのためを思って別れを告げる親子の物語である。子を持つものなら誰しも経験する巣立ちという名の別れであり旅立ちなのだ。そう、これは「コーダ愛の歌」と同じく旅立ちの物語なのだ。
冒頭から自堕落な生活姿のたまこを演じる前田敦子がとにかく可笑しくて、また父親役の俳優さんもとてもいい味出していた。
特になんの事件が起きなくとも、この二人の生活をずっと眺めていられるほど微笑ましい作品。
ぐうたらくそ娘:前田敦子と甲府感を堪能
微妙な可笑しさに彩られたモラトリアム映画ジャンルにおける佳品。
あそこまでぐうたら娘を徹底できたのは前田敦子の地によるところが大きそうな気はするが、彼女の〝地”なんて知らないので断言はできない。
でも、あんなくそ娘でも図体のデカいだらけた猫みたいな感じで、父親にしたら可愛いと思えるのかもしれないな。笑
本作の成功点は主要キャストを絞り、時間も80分未満と短めにしたこと。
有名どころを多数ちりばめるとそれだけで画面が飽和状態になりがちだし、仮に2時間とかなったらさすがに持たせられるテーマではないので必ずダラダラ過剰の冗長作品になったことだろう。
甲府のあの空気感も〝一時的モラトリアム休憩地”としてナイスな選択と感ず。
前田を煙たがる中坊男子も実にいい味を醸していた。
エンドロールを見て山下敦弘監督だったんだね。なるほど納得
2011-2
あっちゃん
元AKBのエース、前田敦子さん主演映画。
あっちゃんは、演技力がないのか自然な演技がうまいのか。役があってるのか、役になりきってるのか。とにかくとっても不思議な俳優だなと。ただ、私は嫌いじゃない。
大学卒業して、実家に帰ってきて、のらりくらり。父親はそんな娘を横目にせっせと働く働く。
あまりの娘の様子に、一度はカツをいれるも、娘の一言「少なくとも、今ではない」に呆れたか、ぐぅの音も出なくなったか、受け入れたのか。
父と娘。
お互いにお互いの存在が大切なのね。
お父さんの新しいいい人?にお父さんってこんな人って話すたまちゃんが愛おしくなる。
お父さんのこと大好きなのねーって。
たまちゃんのセリフや言い方。けして真似したいような女性ではないけど、無理して力入れて頑張らなくて良いなって思えてくる不思議。そんなキャラをトップアイドルだったあっちゃんが演じてることがまたなんとも。
お前暗いんだよ!
私には妹がいるのだが、それがちょうどタマ子のような性格をしている。常にジメジメと落ち込んでいて、世間のほとんど全てを悪だと思っていて、声も小さく、覇気もなく、フラストレーションが臨界点を超えたときだけ好き勝手怒鳴り散らす。
自分とは何もかもが対照的なのでもちろん兄妹仲はよくない。タマ子を見ていると実家にいた頃は努めて無視していた妹の生活を覗き見ているようでうんざりさせられた。悪口のレパートリーがあまりにも貧弱なところとか、ものすごいリアリティあるんですよね…
とはいえそんなものを活写することにいったいどんな面白味があるのかという疑問がある。もともと解像度の低い写真にわざわざ高画質化処理を施し、それを虫眼鏡で隅々まで観察しているようなものだ。
『どんてん生活』や『リアリズムの宿』が同様の手法で成功を収めている一方で、本作がそこまで煮え切らないのはなぜなんだろうか。前田敦子がちょっと美人すぎるというのはあるかもしれない。良くも悪くもコメディに耐えられる顔をしていない。だから結局近所のおにぎり坊主のほうが、タマ子よりもよっぽどキャラクターとして魅力的に思えてしまった。
というよりただ単に、私が妹を嫌いすぎているだけなのかもしれない。そういえばここ一年ほど実家に帰っていないな。
だらしない女でも酒飲んでないだけマシ
だらしのない女の生態描くの上手すぎ。タマ子のリビングでのくつろぎ方、モロ自分の普段の家での姿勢と同じで笑った。実家にいる時ってだいたい皆こんな感じよね。
次のステップに行くまでの腰の重さがこれぐらいなのまじで分かる。それでも周りの圧に負けて中の中ぐらいの人生を歩むのが普通の人。就職せずに逆にここまでぐうたら出来るのも強さだと思うし、肝が異常に座ってるのでタマ子ビックになると思う(笑)
最後タマ子がふてくされながらアイス食べてる姿、すっごいだらしなくて好き。
たま子のASMR
他のことをして何気なく見流していたのだけど…タマコとお父さんがボリボリむしゃむしゃご飯を食べる雰囲気が、昔見た中国映画の食事シーン(『青い凧』かな?)にも似た心地よさだった。
前田敦子の上手な、胆の座った食べっぷりはあっぱれ。お父さんもとても素敵。中坊もとても面白かわいい。エンディングの星野源の歌も染みた。
話は進展しないのに、いつまでも流していたくなる映画だった。
監督と脚本は大好きな『リアリズムの宿』のお二人だった!
濃密な映画体験。
再見。
支持。
細かな感情のブレを丁度一本費やして細かなままに撮る巧さ。
コミュニケーションの不十分を良しとして生きる他ないという達観が人を少しだけ解放する。
前田敦子の女優力を買う。
緩慢に見えて一部の隙の無い濃密な映画体験。
面白いけどもう少し変化が欲しい…前田敦子の好演が数少ない収穫
前田敦子の醸し出す雰囲気は申し分ないのだが、ひねりが少なく、成長にしては季節と比例していかないようにも見え、あまり刺さらなかった。
自堕落なタマ子は、ひっつきむしのように実家で暮らしている。いるだけで何もしない。季節はあっという間に過ぎて行く。就職、父の再婚の話など、目まぐるしく変わる環境に少しずつ刺激され、動き始める。ただ、環境のリアルを求めすぎた結果なのか、一歩が小さく見えすぎてしまう。髪を少し切っただけのように、変化を変化として透過しにくい。街の中で魅せる前田敦子の脱力感と、写真から感じる変化の強さばかりが際立ってしまった。
自分を変えるには自分しかいない。そうだとは思うが、タマ子が動いたことは小さな成長なんだ!と言い切るには、描写が弱かったように思える。
カットの間が好み~地方の風景も癒される
大学卒業後23歳で実家に父親と二人暮らしのニートの女の子。自営で家事もこなす父親とのんびり居候していたところが、父親に再婚相手の候補がみつかったことで揺れる様子を描く。
甲府の地方の雰囲気と相まってのんびりした雰囲気で、わたしはこのトーンが好き。ストーリーに奇抜さはないののがわたし好み。映像のカットとカットの間がよくて、これもわたし好み。
女優として妙に気になる存在
前田敦子さんのことはAKB時代は興味がなかった。辞めてからは女優として妙に気になる存在で。それで鑑賞。
邦画に多いゆるーいグルーヴ映画。前田敦子という個性があって成り立ってる感あり。特になにも起こらない実家話で、ジャージ姿でゴロゴロとか、主人公だけいっつも同じレンチン飯食ってるとか、そういうディテールを楽しめる人向き。(もしくはコアなあっちゃんファンか)
最近も前田敦子という個性を立てた映画やTVドラマに頻繁に出ているので、やはり彼女が気になる製作陣がいる様子。どこがどう、と説明しにくいのですけど。
父娘テーマは永遠
自分にもあったモラトリアム(猶予期間)。誰にでもあるのではないだろうか。
同じ山下監督作品「苦役列車」でも感じた、人間の弱さを抉りだした、いや弱さというか脆さを晒した内容に、自分と重ね合わせ心苦しかった。ただし、タマ子と父親双方に非はあり、雰囲気もライトなコメディで観やすかった。トータル73分と短いのも良かった。
タマ子は、23歳無職実家暮らしの自分に、「出て行け」の一言が言えない父親がダメだと他人の所為。父は、大学出たのに働かず実家を出ようとしない娘がダメだと他人の所為。互いに自分は間違ってないと思っているが、そこをアドバイスする他人もいない。互いに本音で語り合えば解決する話なんだが、父と娘ってこんなにコミュニケーション難しくなるのかと将来が不安になってきた。
重いテーマにしては、タマ子と父親の関係性を滑稽に描き(就職活動かと思いきやオーディション応募とか)、数少ない脇役(しかも有名な人はほぼいない)の絶妙感が堪らなく愛おしい。写真屋の親子のソックリ感サイコー。
全編前田敦子が常に映ってますが、彼女のアイドル映画と呼ぶには至らないほどブサイクというか仏頂面なあっちゃんが常に画面にいます。かなりのモラトリアム女子を演じてます。顔が綺麗すぎるけど、こんなニートいそうです。
あっちゃんといい大島優子(紙の月)といい、元AKBの役者としてのレベルは高い気がする。
【山下敦弘監督ワールドを堪能した作品。ある意味”天上天下唯我独尊””我が道を行く”女性の姿を見事に描いた作品でもある。】
ーゆるーい、雰囲気に妙に嵌まってしまった作品。ー
タマ子さん(前田敦子)は、大学を卒業しても、実家に戻り、父善次(康すおん)が営む小さなスポーツ用品店・甲府スポーツで働くでもなく、無為な時間を過ごす。
ー彼女の毎日は実に優雅である。ー
一日、ほぼ寝ていて、夕方に目が覚めると残り物のロール・キャベツを食べる。プリンを食べて、寝転びながら漫画を読んで、田原総一郎さんの(敬愛しているらしい・・)番組などを見て、不機嫌そうに吐き捨てる言葉は”ダメだな、日本は!”
で、当然父からは”駄目なのはお前だ!”と来るわけであるが、彼女の返事が小気味よい。
”その時が来たら動く! 少なくとも・・今ではない!”
ー”君は戦国武将か!”と笑いながら脳内で突っ込みながらも、緩やかな時間が心地良い。-
・これが、前田敦子さんが演じるタマ子さんが言うと、”そうだけれども、君もどうだろう・・”とお父さんと同じく思うのだが、彼女が演じると、タマ子の言動が嫌味に感じないのである・・。
ー私は、前田さんのアイドル時代は知ってはいるが、ファンではない・・。逆に、彼女の姿は出演された映画の幾つかで知っている程度である・・。-
いつの間にか、季節は巡り夏に。
タマ子は相変わらず高校野球を見ながら”このクソ暑いのに良く野球なんかやるよね・・”と言うが、父、善次は何だか嬉しそうである・・。
そして出会った、善次のアクセサリー教室の先生曜子(富田靖子)と初めて会ったにも関わらず、口に出た速射砲の様な言葉の数々・・。
<前田敦子さんの魅力を、遅まきながら初めて知った作品。
不機嫌な顔を浮かべながら、あそこまで”チャーミング”な雰囲気を出せる女優さんって、中々いないんじゃないかな・・と思った作品でもある。>
<2014年1月26日 劇場にて鑑賞。今作のパンフレットの作りはとても良いです・・。>
映画の外側を想像したくなる良作!
子供でもなければ大人にもなりきれない。
まだ何者でもない人間が、通過儀礼を得て成長のきっかけを掴む。
間違いなく大好物なパターンです。
それを野暮ったいセリフでの説明では無く、あくまで人物の行動や状況を通じて語っていて、映画という手法を使ってこそ味わえる良さがひしひしと染み込んでくる作品でした!
タマ子も、優しい父も、近所のガキも、、
みんながキャラクターとしてしっかり印象に残っていて、とても愛くるしくなる
この世界のどこかに彼女達がいると思えるような程、まさに”生きた映画”だったと思います。
最後の終わり方もまた良し👍
タマ子が成長のきっかけを掴んだ後はダラダラと描かないところにすごく好感を持ちました
この映画で描くにはあれ以上は蛇足ですからね
まだまだタマ子にはこれから先も大変な事がきっと起こるだろうなーとか、でもこの映画の中で過ごした一年の間に感じた様々な感情や人との出会いを思い出せばきっと乗り越えていけるんだろうなーとか…
そんな映画の外側を頭の中で補完して想像したくなるような素晴らしい良作でした!
倦怠感が好ましい
たまこのやる気のなさ、だらけた生活、自分の若い頃を見せ付けられているように思えました。
季節が変わっても本質は変わらず、だらけたままで食事をする日常が、ある意味安心で引き込まれていました。
まぁ、人生なんてこんなもんでしょうね!
全68件中、1~20件目を表示