劇場公開日 2013年11月23日

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「【山下敦弘監督ワールドを堪能した作品。ある意味”天上天下唯我独尊””我が道を行く”女性の姿を見事に描いた作品でもある。】」もらとりあむタマ子 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5【山下敦弘監督ワールドを堪能した作品。ある意味”天上天下唯我独尊””我が道を行く”女性の姿を見事に描いた作品でもある。】

2019年5月19日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

単純

幸せ

 ーゆるーい、雰囲気に妙に嵌まってしまった作品。ー

 タマ子さん(前田敦子)は、大学を卒業しても、実家に戻り、父善次(康すおん)が営む小さなスポーツ用品店・甲府スポーツで働くでもなく、無為な時間を過ごす。

 ー彼女の毎日は実に優雅である。ー

 一日、ほぼ寝ていて、夕方に目が覚めると残り物のロール・キャベツを食べる。プリンを食べて、寝転びながら漫画を読んで、田原総一郎さんの(敬愛しているらしい・・)番組などを見て、不機嫌そうに吐き捨てる言葉は”ダメだな、日本は!”

 で、当然父からは”駄目なのはお前だ!”と来るわけであるが、彼女の返事が小気味よい。

 ”その時が来たら動く! 少なくとも・・今ではない!”

ー”君は戦国武将か!”と笑いながら脳内で突っ込みながらも、緩やかな時間が心地良い。-

 ・これが、前田敦子さんが演じるタマ子さんが言うと、”そうだけれども、君もどうだろう・・”とお父さんと同じく思うのだが、彼女が演じると、タマ子の言動が嫌味に感じないのである・・。
ー私は、前田さんのアイドル時代は知ってはいるが、ファンではない・・。逆に、彼女の姿は出演された映画の幾つかで知っている程度である・・。-

 いつの間にか、季節は巡り夏に。
 タマ子は相変わらず高校野球を見ながら”このクソ暑いのに良く野球なんかやるよね・・”と言うが、父、善次は何だか嬉しそうである・・。

 そして出会った、善次のアクセサリー教室の先生曜子(富田靖子)と初めて会ったにも関わらず、口に出た速射砲の様な言葉の数々・・。

<前田敦子さんの魅力を、遅まきながら初めて知った作品。
 不機嫌な顔を浮かべながら、あそこまで”チャーミング”な雰囲気を出せる女優さんって、中々いないんじゃないかな・・と思った作品でもある。>

<2014年1月26日 劇場にて鑑賞。今作のパンフレットの作りはとても良いです・・。>

NOBU