「ホワイトハウスのニガー」大統領の執事の涙 Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)
ホワイトハウスのニガー
総合80点 ( ストーリー:80点|キャスト:80点|演出:80点|ビジュアル:70点|音楽:70点 )
黒人の人権を求めての戦いの歴史を、執事になった一人の男を通して描く。苦難の少年時代を送り、差別されることを受け入れ政治をあえて無視することによりかろうじて生活が出来る居場所を確保した黒人は、それを守るためにそれ以上の進歩を否定し戦おうとはしない。
一方で息子はそんな父親と正反対に、差別を認めず危険を犯して黒人の地位向上のために戦い続ける。もう一人の息子はそんな米国のために戦い命を懸ける。その対比が時代の変遷を物語っていた。
やはり一朝一夕に社会は変われない。黒人差別の撤廃だっていきなりそのようなことが出来るわけではなく、まず白人の支配から逃れて生活の場を確保し、そこから徐々に黒人の権利を主張する。そのためには数十年の時間が必要なのだ。
20世紀前半は勿論のこと、戦後でもまだまだ差別は根強く続く。70年代ですらホワイトハウスでニガーという言葉が普通に使われ、80年代のホワイトハウスですら黒人というだけで給与と昇進に差がつくというのは驚くと同時にがっかりする。オバマが出るまで長かったが、それでも少しずつ時代は変わっていく。その変遷が主人公の一生を通じて上手く描かれていた。
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