「史上最凶の悪徳クソ刑事参上」フィルス ロロ・トマシさんの映画レビュー(感想・評価)
史上最凶の悪徳クソ刑事参上
ジェームズ・マカヴォイ!はっちゃけましたねぇ!
つかよく引き受けましたねぇ?こんなどうしようもないキャラクター。
いやね、こんなん演じちゃうって凄いなぁ~と思って。本当凄いですよ?凄いでしょ?観ましたか皆さん?
だって、ようやらないでしょ?こんな誰も擁護が出来ないほどのゴミ溜め以下のゲス振り発揮してる自分本位の悪徳クソ刑事役なんて。しかもですよ、今ハリウッドで最も売れっ子の一人に数えられてるキャリアの絶頂にですよ?ここまでの怪演やれちゃうって…ねえ?いやあ大物になりますよマカヴォイ。
本当ね、究極に見下げ果てたイカレダメ人間へ変貌しててね、このクレイジーへの振り切れ加減には惜しみない拍手を送りたいんですよ。だって、彼、本当はタムナスさんですよ?
それほどにマカヴォイが演じたロボ刑事というキャラクターが強烈な個性を放ってる証拠なんですけども。それを彼が見事に体現してみせたんですよね。
で、このロボ刑事、まあそうなるに至るまでの、あるトラウマがあったんですけども。それもね、トラウマがあろうが無かろうが、人生を嘆こうが憂おうがね、そんな資格もないんです。それ以上のトラウマを他人へ植え付けとる訳ですから。
それなのに。それなのにですよ?
ラストで、まあ~泣けるBGMが流れやがるんです。レディオ・ヘッドの名曲『クリープ』が。
いやいやいや、待てと。そんな哀愁の曲を流されてもさ?と。同情なんかできんからさ?と。
て、思うんです。思ってるんですけどもね。なんかね、ウルウルしちゃってたりもするんですよ。何だこの俺の感情は?と。で、気付くんですよ、この感情の理由が。
コイツのこと、ロボのこと。俺、好きになってるんだ、て。
何だかんだ。何だかんだで、愛すべき映画です。ロボも愛すべき?ゲス野郎です。
どうかどうか最期まで、席を立たずに彼のゲス振りをご覧になってください。