THE ICEMAN 氷の処刑人のレビュー・感想・評価
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実際のところはどうだったのか
実話を元にしたストーリーということでしたが、アイスマンが本当に作品中の主人公のような人物だったのかは大きな疑問でした。 作品自体は全く退屈することなく、あっという間にラストまで進んでしまいました。
これが真実の話とは!
テレビでも、このアイスマン、ククリンスキー当人のインタビューが流れてて、それを見た後なので、興味深く観れました。
裁判で証言する直前に、獄中で謎の死、さらには、彼を雇ったマフィアも殺され、真相は闇に葬られたという謎だらけの事件。
殺人と家族愛は同じ感情の発露の違い
クリス・エヴァンスのチャラ悪党に始まりジェームズ・フランコやスティーヴン・ドーフのチョイ出演など本筋と関係ないところが無駄に楽しい(笑)
あ、もちろんマイケル・シャノン七変化も(笑)
真面目に評すると、家族への深い愛情もなんだか一般的な愛情を越えていて、執着や固執のレベルに近くて、僕は殺人と家族への愛が、まったく違う感情の元にあるのではなく、非常に近しい感情が表出の段階で異なった発露をした程度にしか感じず、殺人と家族がギャップというより、むしろさもありなんと思ってしまった。
この男は逮捕されなければ、いずれ家族を殺していただろう。そう匂わせる場面もたしかにあるし。
クリスエバァンス?
マイケルシャノンや久々のウィノナライダーの演技もさることながら、ファンタスティックフォーキャプテンアメリカクリスエバンスがどれっ?て感じでビックリした!まあ、うまいとか下手とか感じるはなしではありませんが…。 それにしてもアイスマンは完全に精神の病気?でしょ。この事件で家族を傷つけたって後悔しても結局は自分のせい。 イライラのストレス発散に殺人利用していたような気がする。 家族はかわいそうですね…気がつかない自分達も一生悔やんで生きたんだろうな。
愛情の屈折っぷり。
200人も人を殺したプロの殺し屋の話です。逮捕時まで家族には知られていなかったのがすごい。人は仕事として殺し、良心の呵責は一切感じない。これだけ聞くとただのサイコパスじゃないかと思いますが、この主人公の面白いところは、家族を心から愛していることです。なぜこういう心理に至ったのか考えたのですが、彼の妻と娘たちの、穢れを知らない、純真で、無知で、無力で、世間知らずな人間性を観ていて合点がいった気がしました。
たぶん彼は自分の理想の楽園を作りたかったんですね。苦しみも穢れも何もない、自分の分身の、美しい彼女たちが住む彼だけの美しい世界。それを守るためにはどんな犠牲もいとわない。幸い(?)良心の呵責に鈍感で優秀な殺し屋だったために、その利益をすべて楽園のためにつぎ込んだ。娘たちを修道系の学校に入れたりしたのもそういうことなのかと思います。最後の彼のコメントで、悪いことをしたのはわかっているけど、間違ったことをしたとは思わない、といった内容はその辺からくるんだと思います。たぶん。
何を隠そう僕自身変人で、自分の猫しか愛することができない人間です。(いや、もちろん親兄弟、嫁も愛していますが、本当に心から自分が素直になれるのは、僕の猫の前だけです。)なぜそこまでその猫を愛するのか、自問してみたんですが、おそらくその猫は僕の子供時代の性格と瓜二つで、まるで自分の美しい部分だけを抽出した分身のような存在だからなんだと思います。彼には世の中のつらいことなど知ることもなく、純粋に、無垢なまま、愛情だけを知っていつまでも生きていてほしいと思っています。こういうことを他人が聞いたら病院に送られてしまうので、誰にも言いませんが。。。たぶん主人公もそんな気分だったんじゃないでしょうか。
無表情な残虐性
不器用なデートから始まる。 ほとんど感情を表情に表さない彼が、唯一見せる家庭での穏やかな顔。 感情を抑えた演技が光るが、後半、徐々に感情をあらわにしてい様が、また、圧巻である。 ICEMANはその冷酷さゆえのニックネームかと思っていたいたが、それだけではなかった。 それが、事実の基づくための陳腐さになってしまうが、仕方がないところだ。 事実は小説より奇なり。 映画より益々奇なり。。。その手口など、もっと見てみたい気がした。
不幸な実話
クリリンスキーは分かっていたんだと思う。自分の中の狂気に。 自分と弟は同じなのだということに。大きな何かが欠落した人格異常者だということに。 でも、彼の「良心」は決してそれを認めたくない。 そんな彼にとって「家族」こそが彼の「理性」であり、彼を表面上の社会適合者として存在し続けさせてくれる唯一の支えだったんだよ。だから、家族のこととなると発作的に常軌を逸した行動をしてしまう。 彼にそんな「家族」を維持し、自分を維持することこそが全てで、「命を奪う」ということに何の感慨も無かったのかも知れない。まさに「アイスマン」のように。 だって、彼は殺し屋ではない道を選ぶこともできたはずなのだから。そのきっかけ(失業)は確かに何度もあったのだからさ。 でも、彼はそれを選ばなかった、彼にとって「殺し屋」という仕事は、単に家族を維持するための「仕事」でしかなかったんだよね、きっと。 自分の「適性に合った仕事」だと感じていたんじゃないかな? 悲劇は彼の家族だよね。何も知らずに彼を「良き夫・良き父親」として慕っていた家族。 リッチで幸せな日常が一転、「稀代の殺人鬼の家族」になってしまったのだからさ。 その後どんなに苦しんだろうか想像に難くないよ。 そのあたりが気になってネットで調べてみたんだけど、彼の奥さん、その後著書を出版したらしい、その名も「Married to the Iceman」(笑) 気の毒な家族だけど、出版だなんて、それなりに強く生きることができたみたいだね。少しホッとしたよ。 それに、彼自身の人格破綻が、彼が幼児期に加えられた親による虐待が原因だとしたら、彼もまたある意味で被害者なんだよね。 誰も幸せにならない、不幸な物語だと思ったよ。
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