フォックスキャッチャーのレビュー・感想・評価
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ベネットミラーは凄い。この役者陣でしかこのドラマは二度と描けないだ...
ベネットミラーは凄い。この役者陣でしかこのドラマは二度と描けないだろうと思わせるほどに完成度を高めてくる。救い難い重い話だが、どの登場人物も責めない。人のあり方を一定の解釈でしっかりと伝えてくる。
お金で買えないものがある
ロサンゼルスオリンピックでレスリング金メダルを取ったデイブ・シュルツとマーク・シュルツ兄弟。ある日、弟マークの元に、デュポン財閥御曹司ジョン・デュポンから、彼の元でレスリングのトレーニングしないかと声がかかる。大金持ちだが闇を抱える彼と兄から独立したいと思っていたマークは仲良くなっていくが…。本当にあった話をベースに作られた映画。
ジョン・デュポンはアメリカ一の金持ちとも言われるほど資産のある家の当主なのだが、ちっとも幸せそうじゃない。そしてシュルツ兄弟が持っている兄弟愛・家族愛を望み憧れているのだが、それはお金でどうできるものでもない。この映画を観ていると、人はお互いを影響し合い、支えあいもすれば捻じ曲げもする、どうしようもない生き物だなぁと感じる。映画は始終静かに流れていくが、心の歪みはそうやってじわじわ作られていくのだと、見ていて悲しくそして同情してしまうのである。
また、アメリカの歴史や、統治する人間と率いられる人間、というテーマも扱っている。「差」というのは、上に居る人間も下に居る人間も苦しめる要素なのかもしれない。
レスリングは日本人にはあまり馴染みのないスポーツだが、なんとなく柔道や相撲に似ている。きっと人間がやるスポーツの原型はこれなんだなぁと思った。ボディコンタクトや業のポーズがなんとも独特。
嫉妬かな…?
こういう心の闇は、誰にでもあると思う。
なんていうんだろう…嫉妬とかジェラシーというか。
誰でも誰かに、モヤモヤしたカンジは持ってると思う。妬みとは違う、羨ましいけど自分には真似できないそれ。それをうまく表現して過剰な程に爆発させてしまった結果の話かなー。と、僕は思いましたが!
演技も違和感なし。
決して明るい話ではないけれど、よく出来た映画だと思いますヨ^ ^
「底なしの心の闇をみた」とか「深いトラウマに囚われて」とかの表現...
「底なしの心の闇をみた」とか「深いトラウマに囚われて」とかの表現がありますが、ぶっちゃけて言えば「えらくめんどくさい人」ってことですよね。
めんどくさい人が、屈託のない人を勝手に妬んで起こした悲劇を描いた映画です。誰でも(本当か?)めんどくさい自意識に悩まされる時期はあるもんですけど、何もかもが自由になる環境がそこから抜け出るチャンスを失わせたのかもですね。彼にあんまり同情できないのは自分がイノセンスを失った証左でしょうかw
悪くないけどそれほどではないかな。
結論:チームのスエットシャツがほしい!
金メダリストの現実
1人車内で安いハンバーガーを貪るシーンは本当に胸が痛くなる…
スティーブ・カレル演じるジョン・デュポンに話題がいきがちですが、マーク役のチャニング・テイタムの肉体美もさることながら、格闘系アスリートの不器用さや悲愴感は必見だと個人的には思っています。
物語、登場人物、役者については割愛。 優れた人間がいることでその周...
物語、登場人物、役者については割愛。
優れた人間がいることでその周りの人間が感じる劣等感みたいなのものを、誰のせいにしたらいいのかなーとか考えさせられる作品でした。
わくわくするような話でもなければ、驚く展開もないけど、観終わった後のモヤモヤした感じも含めて良い作品だと思います。
作品の思う壺…⁉︎
映画(丁度,映画を観るならココ!と,お気に入りの映画館で上映していたが為)&マーク・ラファロの目的で観に行ったが… スティーブ・カレルの憎まれ役さ加減に腹立ったりしたのは、彼自身の演技力の凄さ❗️で,作品側の思う壺だったのかもしれない…レスリング云々は全く知らないが、映画作品としてはどうよ⁉︎なんて疑問を投げ掛けたい!所・・・
不幸な出会いの結末
常に何か良くないことが起きそうな不穏な空気、緊張感のある演出がイイ!
レスリングの動きのそれっぽさ、大富豪のパッと見でわかる心がない感じ、弟のデクのぼう感など、主役の役者も素晴らしかった。特に序盤のトレーニングシーンは、セリフも説明もないが、兄弟の関係やその後の展開の暗示を、演技だけで伝える凄いシーンだった。
表面的な望みは全てお金で解決できてしまうだけに、金持ちの虚しさはより深まり、貧しい者は、その危うさに薄々気付きながらも目をつぶらざるを得ない。狂った金持ちほどタチが悪い。
社会の格差が広がる現代でも、似たようなことが起きているのかもしれない。
怖いですね。スティーブカレルの異常感がムンムンとしてます。大富豪の...
怖いですね。スティーブカレルの異常感がムンムンとしてます。大富豪の御曹司で歪んだ愛情しか知らない怪物感。ゾッとする。コメディアンとは思えない。
実際の射殺事件をもとにしてるんですが、最近は実際の人物、事件をもとにする作品が多いんですかね。たしかに面白いんですが
シクシクと憎しみが膨れていき最後はパーンと弾けるんですが、その弾けっぷりが真っ直ぐですごく怖い。
チャニングテイタムの自傷シーンは迫力あります。伊達にマッチョじゃない。鼻息荒い。
レスリングのシーンも拘ってると言うか、凄くリアリティある風景ですが、あんまり欲しいシーンじゃないと言うか。
まあ、マークラファロが一番好きですね。いい男だ。
ダメなやつはどこまで行ってもダメなやつ。金を持ってても変われない。...
ダメなやつはどこまで行ってもダメなやつ。金を持ってても変われない。
そんなデュポンをただ一人の理解者とせざるを得なかったマーク。
ダメな二人にまともなデイブが加わることで決定的に関係性が崩れて行くんですね…
爽快感はないが、役者陣の演技が凄い…
童貞男
常に緊張感漂う素晴らしい演出と演技に引き込まれてしまった。
チャニング・テイタムは本物の選手かのような体つきで、ここら辺が日本の格闘技を扱う映画との大きな差を感じてしまった。
事件の経緯を予習して見れば上質な伝記映画、まったくの無知で見ても衝撃的な映画としてそれぞれ楽しめると思う。
それにしてもシエナ・ミラーは最近やたら夫を事実に基づき殺されるな。
異常であることを自覚し怯むことなくその王道を突き進む大富豪ジョン ...
異常であることを自覚し怯むことなくその王道を突き進む大富豪ジョン デュポン、この実在した人物を演じたS・カレルが宿した心静かに狂気を育む演技プランに誰も彼を愛さなかった背景が見えてくる。静かでありながら描くモノはいつ破裂してもおかしくない緊張の連鎖、爆弾処理を見ているかのような演出に満点という言葉しか見つからない。
分かりにくいが、極めて深い人間模様。超社会派ムービー。
【賛否両論チェック】
賛:次第に壊れていく人間関係と、それでも自分の信じる道を歩もうとする主人公達の姿に、深く考えさせられる。レスリングの知識がなくても理解出来る。
否:登場人物に感情移入はしにくい内容。BGMも少なく、自分で考えなければいけないような描写も多いので、興味がないと眠くなりそう。
始めは選手のために情熱と愛情を注いでいたジョンが、次第に自らの支配欲や顕示欲に固執していく様子や、そんなジョンに翻弄されながらも、“世界一”という夢を追い続けるしかなかったマーク、そして彼を本当の意味で最後まで愛し続けたデイヴと、三者三様の人間模様が重厚に描かれています。悪戯なBGMもほとんどないので、登場人物達の感情描写がより際立っています。
逆に言うと、それだけかなり静かで地味なお話なので、興味がないとかなり眠くなりそうでもあります(笑)。終わり方も不親切といえば不親切なので、
「結局・・・こういうことだったのかな?」
と、自分で補足して考える必要がありそうです。
関心が持てるかどうかが全ての、極めて社会派の作品です。
狂う男
先週は、アメリカンスナイパーで、少なくとも見かけは正常さを取り戻した男の話しだったが、今回はどんどんおかしくなっていき、真面さを失う男の話しでした。
見る前はスナイパー同様、アメリカ人ぽい話しなんだろうなあと思ってたら、意外にそうでなく、この映画は普遍的な寂しい男の末路を描いている。
映画評を読むと、殺人の動機はよくわからないような描き方だと書かれてはいるが、私の感想は違った。金持ち御曹司の寂しさをこれでもか、これでもかと冷めた色調の画面いっぱいに描いていて、観ている方は途中でへきへきする。金持ちでさえなければ、普通の、少しばかり寂しがり屋の男で済んでいただろうにと思った。
主役はコメディアンとのことだが、この演技力は只者ではない。少し過剰すぎる、虚ろな目の演技が鼻にはつくが、これでアカデミー主演男優賞にノミネートされたというから大したもの。
まっ、私としては弟のレスラーを演じた俳優さんが良かったかな。一番感情移入できたし、ラストのプロレス花道に向かう表情がとても印象的でした。
アメリカ映画でこんなドロドロ話しって、珍しいかもね。私の印象は殆ど横溝正史。弟君のラストの表情で少し救われたかもしれません。
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