劇場公開日 2015年2月14日

  • 予告編を見る

「分かりにくいが、極めて深い人間模様。超社会派ムービー。」フォックスキャッチャー 映画コーディネーター・門倉カドさんの映画レビュー(感想・評価)

1.5分かりにくいが、極めて深い人間模様。超社会派ムービー。

2015年3月14日
PCから投稿

悲しい

怖い

難しい

【賛否両論チェック】
賛:次第に壊れていく人間関係と、それでも自分の信じる道を歩もうとする主人公達の姿に、深く考えさせられる。レスリングの知識がなくても理解出来る。
否:登場人物に感情移入はしにくい内容。BGMも少なく、自分で考えなければいけないような描写も多いので、興味がないと眠くなりそう。

 始めは選手のために情熱と愛情を注いでいたジョンが、次第に自らの支配欲や顕示欲に固執していく様子や、そんなジョンに翻弄されながらも、“世界一”という夢を追い続けるしかなかったマーク、そして彼を本当の意味で最後まで愛し続けたデイヴと、三者三様の人間模様が重厚に描かれています。悪戯なBGMもほとんどないので、登場人物達の感情描写がより際立っています。
 逆に言うと、それだけかなり静かで地味なお話なので、興味がないとかなり眠くなりそうでもあります(笑)。終わり方も不親切といえば不親切なので、
「結局・・・こういうことだったのかな?」
と、自分で補足して考える必要がありそうです。
 関心が持てるかどうかが全ての、極めて社会派の作品です。

映画コーディネーター・門倉カド