「自己中。」フォックスキャッチャー mg599さんの映画レビュー(感想・評価)
自己中。
こちらの先入観のせいか、ベネット・ミラーがもっている資質か、すべてのシーンに緊張感がみなぎる作品になっていた。
殺人が結末になっているということはわかっていたが、誰が誰を、というところまでは知らずに観ていた。実話なので世間的にはよく知られていることなのだが。
どうやって殺意が醸成されていくのか、その一点だけに注目していた。
アメリカのレスリング界がどういうことになっているのかよくわからないが、ひとりの資産家の私物になったかのごとくである。
そして、この資産家はまるで子どもである。
そのわがまま加減が画面に緊迫感を生む。何をするかわからない。
母親にレスリングを否定されたという同情すべき点もあるが、だからといって彼の自分勝手が許されるものではない。
スティーヴ・カレル、チャニング・テイタム、マーク・ラファロ、いずれも好演であった。
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