「滲み出る不穏感に惹き付けられる作品。」フォックスキャッチャー Opportunity Costさんの映画レビュー(感想・評価)
滲み出る不穏感に惹き付けられる作品。
暗く地味な画面が淡々と。
刺激が無く退屈な時間となると思いきや。
滲み出る不穏感/狂気が徐々に色濃くなり。
惹き付けられる緊張感がありました。
話の軸となるマークとジョンの関係性。
そして兄デイヴ参入後の関係性。
各々が持つ“主/従”の傾向が不協和音を生む。
“従”であるマークを中心に“主”と“主”が対峙した際。
小さな摩擦が積み重なり保たれた均衡が大きく崩れる。
その関係性の変化、摩擦が生まれるまでの過程が丁寧に描かれており好感を持ちました。
また滲み出る不穏感を体現した役者陣も良かった。
深い闇を抱え闇を覗く者すら呑み込む怪物ジョンを。
コメディ印象の強いスティーブ・カレルが好演していました。
マーク演じるチャニング・テイタム、デイヴ演じるマーク・ラファロも良かったです。
滲み出る不穏感に惹き付けられる本作。
終盤の風呂敷の畳み方も簡潔で好印象。
決して派手な作品でないですが余韻も含めて静かに楽しめる作品だと思います。
オススメです。
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