「こんなにも「哀しい」…」フォックスキャッチャー ヒートこけしさんの映画レビュー(感想・評価)
こんなにも「哀しい」…
実録犯罪モノでありながらノーマン・ベイツ(サイコ)やペンギン(『バットマン リターンズ』)を思わせるジョン・デュポンの人物造形に驚嘆。この悲劇を隙の無い演出で傑作に仕立てたのがベネット・ミラー監督。この人って未だ傑作しか撮ったことないよなあ…流石!
こんなに「哀しい」っていう形容が相応しい作品もそうない。確かにジョン・デュポンの愚行は許されないけど映画として観る分には彼の哀しさに寄り添えなくもない。もちろんカインコンプレックスを抱えたマーク・シュルツの半生然り。突然の終わりを迎えるデイヴ・シュルツの人生然り。まさしく悲劇…
銀世界の惨劇はまさに「殺しが静かにやって来る」とでも言うべきか…
ラストで示されるのは希望か皮肉か…もしくはそのどちらもか…その判断は観る者に委ねられる。個人的には…まだ考え中!
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