渇き。のレビュー・感想・評価
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鑑賞後、しばらく生肉が触れなくなりました。
鑑賞して食事ができなくなったのは、小説『バトル・ロワイヤル』を読んで以来。レイプ場面を含む暴力の、あまりの生々しさに、心がどころか、体が受け付けない。生理的レベルでの拒否…。
作品的には、考え抜かれて技巧を凝らした映画。
この場面にこの音楽使うか、とか、色彩とか、このカットをこう繋ぐかとか…。
鮮血の赤・銀鱗のようにギラギラしていながら抑えた灰青・ポップな色調のメリハリ。徐々に狂った”三月うさぎの世界”にいざなわれる…
アニメーションなんて、離人感ってこんな感じ?と妙に納得。
いじめや虐待の場面で”離人感”って聞くけど、現実の場面にアニメの場面が入っちゃうような感じなのかな?本当はどうなのかはわからないですが、現実感が薄れ解離しているってこういう感じ?というのが伝わってきて、うまいと思った。
某船着き場は、シュールさが際立った。
あれだけの”非”日常なことが繰り広げられているのに、いつもと変わらず流れる”日常”の案内放送(BGMなしで効果音と台詞のみが四方八方から響き渡るという演出)。
『ホテル・ルワンダ』での有名な台詞。「ニュースを観た人は『怖いわね』と言ってディナーを続ける」。そんな私達の有様が端的に表現されていたように思う。(自分の生きているのと同じ時間にこういうことって起こっているんだ)
目を見張ったのは、加奈子を演じた小松菜奈さんはじめ若い世代。清水さんや森川さんも良かったな。
でも全体的には観たことを後悔しました。
愛とは何ぞやと問う力作だとは思うけど。
役所さんはぎゃあぎゃあ騒ぎまくっているだけだし。
尤もそういう中身のない男を演じているんだからしょうがない。(そういう意味では中身がないという演技、凄い)子犬ほどよく吠えるって言うけど、本当だ。『ブラック・レイン』と比較してしまう。否、役所さんと優作さんをじゃなくて、藤島と佐藤や菅井とね。
鑑賞して得たものは無かったかな。
上っ面を滑っている感じ。
中身がない人達ー気持ちや愛情を心にためることができずに、外に流れて無くなってしまう人たちーを描いているのだから、こんな感想が妥当なのかもしれない。
なんて思わせるなら、実は”表現”としては成功しているのかもしれないけどね。
いろいろなレビューを参考になさってから鑑賞することをお勧めします。
グロ場面が好きな方には好評みたいです。
演出・編集・音楽・色調・役者に見るものあるけど、
人に勧めたくないし、知人に観たことをカミングアウトしたくないので☆1つ。
★ ★ ★ ★ ★
R15。劇場公開時に行っていた学生キャンペーン。
高校生はそんなに馬鹿じゃないと私も思う。
『バトル・ロワイヤル』はある子どもに「読め」と渡された。その子どもは「人間がこんなことできるのか」と必死に食い下がってきた。おお、まともじゃんと嬉しくなった。
『進撃の巨人』ファンの子ども達は言う。「グロい場面は、あくまで漫画で、アニメーションで、身近にはない架空の世界。それより人間ドラマが面白いんだ」と、登場人物のやりとり等についてのコメントを熱く語る。(『進撃の巨人』は読んでないからわからないけど)へえ、まともじゃん。そういうところで人間関係や苦難を乗り越える方法を学んでいるのね。
子ども達は私達が考えているより健全。大抵の子は、この映画のグロ部分を自分とは関係ない世界に閉じ込め鑑賞するか、本当に拒否るかするだろう。
でも、子ども達の0.01%位はこの映画に限りなく親和感を持つ。というか、このような関係性の中でしか暮らせていない子もいる。(0.01%以下であって欲しい)
この映画の乱交パーティは『ウォール・フラワー』に出てきたドラック・パーティを彷彿とさせる。架空の世界ではなく、事実あったこと、あること。いじめの場面だって日常のすぐ隣にある世界。
そんな状況を「子どもは純真」とばかりにオブラートに包むことは、藤島夫妻が加奈子を自分達の都合の良いようにしかみていなかったことと同じじゃないか、なんて考えた。
高校生ともぜひこの映画を観た感想の話をしたい。見せっぱなしじゃなくて。フォローなくては見せられない映画だと思う。フォローがないままに、高校生に鑑賞券をばらまくなんて。
勿論 親に、親だけでなく子どもに責任持つすべての大人にも観ていただいて、話がしたい。大人にはバラまいてでも、見ていただいて考えてもらいたい。
(なんて知性化し(考え)ながら観ている時点で、映画に感情移入できていない。)
「役所さんが主演だぁ」と鑑賞券に応募、当選。劇場にて鑑賞。当選されていただいたことには感謝するけれど、同時に後悔。
もっとリサーチしてから応募しなければと、勉強になりました。
誰かこの人達に潤いを……
みんな性格が渇きまくっていてもはや枯渇している。
R15でいいのか?と思うほどに残酷。
とにかくみんなが酷い!
中でも一番大事な主人公とキーを握るその娘が。
中島監督独特のあらゆる場面が入り乱れる映像だけれどきちんとミステリーとしても成立している。
すごい面白い!もう一度観たい!って感じにはならないけど不思議と中毒性がある作品でした。
役所広司が汚い
二度目。
クソとクズと、それらに人生狂わされた人たちの話。と私ならログライン(一行あらすじ)を書いてしまいたくなるくらいの胸くそ悪い映画。
役所広司さんは終始、汚いので、他の演者がみんなキレイに見えるという凄い力業できた作品。
とにかく沢山殺されて、たくさん血を見させられる映画。
原作未読なので、オダギリジョーが突然出てきたとこに違和感を感じずにはいられない。
全体的にはよくまとまってはいるけれど、
見終えて何か残ったかしらと改めて考えてみたけれど、
やっぱり役所広司は汚かったしかない…。
うーむ。
可憐に狂ってる
グロいシーンと供にポップな映像や綺麗なアニメチックな映像、サブカル的な激しい音楽が流れていて飽きない。
目が回るようなじっと観てしまうような演出が素晴らしい。大好きです
出演者の演技も素晴らしい。清水尋也、小松菜奈惹きつけられました。
完走してくれ
その残虐表現がエキセントリックと言うことで、
話題になったら見てしまうタチです。
件の残虐表現ですが、確かに露骨な描写が多かった。
(死体処理袋の不良生徒の腹、タイマンでのオダジョーの手etc)
その描写の善し悪しは別に置いておいて、
その表現としては映画の中でしかできないモノです。
これぞエンターテインメント。
話は娘の加奈子(小松)をひたすら親父(役所)が捜す話。
その一点に向かっての話の推進力は、先の残酷シーンも相まって、
かなりのスピード感があり、映像も話もワクワクして見入ってしまう。
この、誰かを捜していくウチにいろんな事件が起こり、
その誰かの人間性まで構築されていく話、何かに似てると思ったが、
漫画で浦沢直樹の「MONSTER」に、話の展開が似てる気がした。
とにかくもう夢中で見てました…途中までは。
元部下の刑事(妻夫木)が藤島を張ってるあたりから、話がボンヤリし始め、
加奈子の交友関係と失踪理由の説明が曖昧になり、
オダジョーは良かったが、役の魅力が場面が少なすぎて伝わってこない。
(ここでの妻夫木の行動も不可解)
でもまあ初速より段々落ちましたが、ラストまでスピード感有りました。
でもこのラスト、要は加奈子の行方ですが、この締め方は何?
しかも最後、頼む!これで終わるなよ、と祈ってたらスタッフロール開始。
ラストシーンはスピードも話も何もなかった。
間延びしてから終息までは、短いが長い、何言ってんだ?
役所広司は頑張ってると思うのだが、
ろくでなしの親父役としては少し物足りない。
台詞での悪態も「この、クソ○○がぁ!」ばかりで捻りが無い。
妻夫木は悪性を秘めている役なので、
アップで細かい演技とか見たかった。
あと、ジョーだかチョーだか、黒幕の大物、内田裕也じゃないよね。
女性陣は総じて良かったです。小松菜奈の眉毛はずっと気になった。
登場人物全員狂人
元刑事の主人公、藤島(役所広司)は離婚した妻から失踪した娘、加奈子を捜索するように依頼され…という展開のサスペンス。
捜索の過程で加奈子が覚せい剤や犯罪グループに関与してることが分かってきて狂気が加速していく。
とにかく全員狂っている。
まともな人はほぼゼロで、しかもハイスピードで流血、暴力、殺人が展開されていく。
話自体は割とよくでてきていて、残酷な表現もあえてポップに(それがまた狂気を感じる)描かれていてその落差にぞっとしつつ魅力も感じた。
役所広司が真に迫りすぎていて、もちろん素晴らしい演技なんだけどちょっと暑苦しさも感じる。
小松菜奈はいいチョイスで、かわいいだけの若手女優には出せない凄みがあった。
おすすめすると人格を疑われそうではあるが、退屈はさせられない刺激的な作品だった。
2つの衝撃
1つに、中島哲也監督の演出。
もう一つは、小松菜奈の狂気の演技でしょう。
■良い点
・監督と小松菜奈のシナジー(ほかの女優では務まりようがなかったかと)
・誰かと話すと衝撃で盛り上がる可能性がある
■悪い点
・なかなか人に勧められる内容の話ではありません。。
内容や映像は好きだったけど
役所広司さんの放つ大きな怒鳴り声が、自身の過去のトラウマを思い出させるので、とても嫌悪感があった。申し訳ないがうるさい。
内容や映像は好きです。特別酷い話だなーとは思わなかった。現実でも似たようなことは起きているし。
もう1回見たら途中途中寝てしまうと思う。
個人評価90、他人にオススメ度は0点
この映画のネタバレなしの評価は難しくない。時間がない人向けに 一言で言うと、リアルティのない、グロテスク映画だ。自分が感じたことは全く違うが自分以外の人が100人が見れば少なくとも95人くらいはその意見に否定はしないだろう。ちなみに、否定した五人はこの作品にただ駄作の烙印を押すだけだ。
この映画の持つ属性は、狂気性とグロテスク描写だ。これを下らないと言う人もいれば、芸術だという人もいる。自分も普段ならそれをくだらないというタイプだ。同じような作品として挙げる方が多い「悪の教典」などがそうだ。あれはしょうもない駄作だと自分は思う。理由は書くのも嫌だ。
それなのに自分はなぜ渇きを気に入ってるのか。それを皆さんに伝えたい。
狂気性とグロテスクというのは、他の感情をなくさせる。料理の味でいったらチリのようなものだ。チリを加えたらそれはもうチリ味になってしまう。どんないい素材を使っても、いい料理人でさえも全てチリ味になってしまうのだ。しかし、グロテスクをチリで例えるとするならばこの作品はこの世で最もいい素材でチリ料理を作った作品といえるだろう。役所広司、妻夫木聡、オダギリジョー、二階堂ふみetc全てが完璧に役を全うしている。役所広司は常に滑舌が悪く頭がおかしい。妻夫木聡はつねに人を舐めてヘラヘラしているといったキャラクターとしての一貫性がある。話のプロットはぶっ飛んでいて何のリアルティもないし、作品の中に登場しているキャラクターもみなぶっ飛んでいる。しかし、ぶっ飛んでいるキャラクターが最後までぶっ飛んでいるからこそ、この作品には妙な信憑性が生まれる。要するにこれは創作だが、こういうイかれた奴はいるかもしれないと思わせる力があるのだ。普通の映画や創作物では人は変わる、例えば友人が死んだらジョジョなら強くなるし、愛人ができたりしたら誠実になるといった具合だ。それが映画としての常識だからだ。
しかし、現実に生きている人間の私達は知っているはずだ。人は簡単には変わらないと、そんな簡単に変えれるなら苦労しないと。
この映画の登場人物は一切成長しない。一切変わらない。そういった「成長」「変化」という要素を抜いて一つのエンタメとして、またドラマとして機能しているのは、とても美しい脚本といえるだろう。
またカットがこの映画には多用されている。それは普段作品や映画に触れない人間ならきっと話が掴めないし、作品のストーリーが訳が分からなくなるだろう。しかし、ある程度作品などに触れているものなら、気にいるはずだ。物語というのはある程度形がある。結婚する予定の奴は死ぬし、「やったか…?」と言った場合は必ず生きている。
この作品では、そういったフラグは存在しないわけではない。しかし、それを超高速のカットの切り替え、時間と場面の切り替えで隠している。これは、ある意味バカがやることだ。狂気の沙汰ではない。そんなのは監督のオナニーだからだ。映画を観る視聴者の大半がそんなものは求めていない。普通の視聴者は置いてけぼりである。
しかし、私は求めていたのだ。もしかしたら私だけかもしれないし、貴方も求めているなら貴方と私だけかもしれない。この監督はこの世にいるかもわからない人間に向けてだけ、理解できるようにこの作品を作っているのだ。
しかも、最高の素材を使って。こんな狂気はない。あるとしたら、この作品の中の加奈子や昭和のようなイカレた奴ぐらいの度量や狂気が必要だ。
もしこの編集技法そのものが、それを表現する一つの道具だとしたら?
派手なチリ味もそれを表現するためだけの道具だとしたら?
僕はこの映画のことを好きになるしかないだろう。まるでこの映画は、加奈子そのものみたいだ。
【初見以来5年経っても覚えている小松さんの無機質な表情。】
今をときめく小松さんの初出演、主演作。
怪作であったが、初見以来5年経っても細部を覚えている。特に小松さんの表情、そして”眼”。
<2014年7月1日 劇場にて鑑賞>
■2020年8月2日 追記
当時の資料は手元にあるが、敢えて記憶のみにて追記。
・確か、小松さんは今作がデビュー作だったと記憶している。(違ったらすいません。)
今作の監督が”迷走を始めた”時期でもあり、ストーリー展開は相当粗いのだが、バイオレンス描写と、それを凌ぐ小松さんの”あの無機質な表情と氷のような目つき”が強烈に印象に残っている作品である。
その後の、小松さんの躍進ぶりは、万民が知っている事。これだけは、彼女を起用した監督の業績であろう。
映画は原作の狂気を三分の二くらいまでスケールダウンしているけれども、小松菜奈という逸材を日本映画に放ったという点で記念すべき作品。
(原作既読)①原作をJR和歌山線始発の和歌山駅から終点の大和高田駅に着くまでの間に、吐きそうなくらい胸が悪くなりいの、頭がおかしくなりそうになりいの、やっと読み終わったのが忘れられない。②
狂気な作品
最初から最後まで、血みどろ、かなり際どい性描写もあり、好き嫌いがかなり分かれる作品だろう。
役所広司さんと小松菜奈さんの親子、本当に狂った血が流れてるんだなと思った。
役所広司は元刑事の父親役でDVだし、言葉は汚いし、大声で怒鳴り散らすし、すぐ暴れるし、レイプもしちゃう。しょうもない男。
小松菜奈はその父親の娘。外見は本当に綺麗でどんな男も女も惹きつける不思議な魅力を持った子。でもその裏の顔は、自分にとことん夢中にさせてから、シャブ中にして、オヤジに体売らせてたり、地獄に突き落とすという冷酷な女。
そんな失踪した娘を探し続け、本当の娘の姿がだんだんわかってくる、でも最後には思いがけない展開でちょっとびっくり。映像の展開の仕方が想像なのか、妄想なのか、現実なのか、時空間もいまいち混乱する感じでした。
森川葵さんもこの役でピンクのスキンヘッドに挑戦したり、高杉真宙さん、葉山奨之さんなど今活躍中の若手が出演してて、そこも見応えありました。ちょっとの出演でしたが、オダギリジョーさんもイカれた殺人者の役でなかなか怖かったです。
期待はずれというかくだらなかったというか とりあえず見にくい 荒々...
期待はずれというかくだらなかったというか
とりあえず見にくい
荒々しさを表現したかったのかしらんけど見にくい
んでむちゃくちゃにしても過剰すぎ
あとうるさい
告白の出来が良かったのは結局原作だったんだなとこれを観てわかった
告白でかなり良かったから勝手に評価してしまってたけど告白以前の思い出したら微妙なの多いしこれも微妙やし
全く打てないバッター、打てても凡打程度のやつがたまたまホームランを打った、それが告白だっただけのこと
なんかこれは観るんじゃなかったなガッカリした
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