「期待感パッンパンで観に行ったのが良くなかったなぁ。。」アメリカン・ハッスル Opportunity Costさんの映画レビュー(感想・評価)
期待感パッンパンで観に行ったのが良くなかったなぁ。。
面白かった。
確かに面白かったんですがね。
色々な前評判やアカデミー賞候補等の余計な情報から期待で胸パッンパンに行った結果。
うん、そうでもない…という印象になってしまいました。
非常に残念。
本作の大きな魅力の一つとして「配役の妙」があると思います。
この俳優さんがこんな役を、という意外性。
デビッド・O・ラッセル監督の十八番とも言える俳優の新たな側面の提示。
「ザ・ファイター」のクリスチャン・ベールが禿げて太った中年男性に。
「ボーン・レガシー」のジェレミー・レナーが誠実そうな政治家に。
「魔法にかけられて」のエイミー・アダムスがセクシーな愛人に。
確かに上記の登場人物(特にクリスチャン・ベール)の新たな側面に吃驚かつワクワクされられたのですが。
ただ、この面白さは俳優の歴史を知っている前提の面白さ。
代表作や役者の一般的なイメージは把握しているつもりですが、それでも米国で彼等をズッと観てきた視聴者に比べると前情報が浅い薄い。
そのため本作を楽しめきれているのか、若干の疑問が残ります。
日本人だからこそ北大路欣也の犬のおとうさんや松平健のマツケンサンバに意外性と面白さを感じる。
その意外性や面白さはその他作品の情報や個人のキャラクターを知っているからこそ、だと。
またブラッドリー・クーパーとジェニファー・ローレンスについては意外性が(上記の人に比べると)薄い。
「世界にひとつのプレイブック」の意外性と話の良さが突出していたこともあり、本作では新たな側面の提示とまではいかなかった気がします。
ジェニファー・ローレンスは本当に難しい役を演じきっていて、その演技力に感嘆させられましたが。
その演技力も「世界にひとつのプレイブック」で既に知っているしなぁ、という感じ。
ブラッドリー・クーパーとジェニファー・ローレンス共に凄く良かったんですが…意外性という面では残念でした。
話の意外性も若干残念。
曲者達の騙し合いということで色々な可能性を残しつつ話が進む点では翻弄され楽しんだのですが。
行き着く先が…ねぇ。という感じ。
これだけの曲者が集まって、この結論に至ってしまう不自然さは残りました。
確かに面白かった。
劇場に足を運んで観る価値は十二分にあります。
ただ、期待で胸パッンパンにして行くと若干の肩透かし感が出てきてしまうかもしれません。
色々な情報をリセットしつつ、登場する俳優さんの前情報を仕入れつつ、という難しいバランスを保ちながら劇場に足を運んでいただきたい。
オススメです。