「ひっでー話じゃないですか。アメリカの正義って。こんな国なの?」アメリカン・ハッスル お水汲み当番さんの映画レビュー(感想・評価)
ひっでー話じゃないですか。アメリカの正義って。こんな国なの?
主人公(クリスチャン・ベイル)は、天頂ハゲをゴマかすために接着剤でカツラを貼りつけているような、ま、きわめつけの小物詐欺師なんです。
だが彼のビジョンは凄い。詐欺師としてやっていくために、クリーニング屋を経営するっていうんですから。
……つまり、客が預けたまま引き取りに来ないスーツやドレスを、詐欺の衣装に使う仕掛けです。
ね、小物でしょ。
そんな彼が、エイミー・アダムス扮する「英国貴族に化けた中西部出身の詐欺女」(これが名演!)と出会って、詐欺の階段を一段だけ登るわけですが、そこでFBIにとっ掴まってしまう。
カジノ合法化を狙うアトランティックシティで、FBIは主人公たちを手駒に使って、罪のない多くの議員や市長をムリヤリ収賄罪にハメてしまうっていう、後味の超~悪い映画です。
アメリカ人には、これでも良いのかも知れませんが、日本じゃ、絶対に許されない話です。
でもこれがアメリカ人の正義感なのだろうな、と割り切れない思いで観たのでした。
映画のディテールは真に迫って面白いので、そういう部分で楽しむのが正解かと思います。
エイミー・アダムスはほんと名女優だな、と感心しました。
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