「背中痛そう」2つ目の窓 Kjさんの映画レビュー(感想・評価)
背中痛そう
ドキュメンタリーのような撮り方をする監督ではあるが、役者と一般人の混ぜこぜは、役者による芝居の不自然さを時に感じることもあったのであるが、松田美由紀の死出の旅を皆で見送るようなシーンは、三線の刺さるような音色と彼女の演技が相成り、素晴らしい出来栄えになっている。死を皆で分ち、その不安を中和する。なるほど、音楽とはそういうものかと感心する。
全体を見るとテーマ性にダイレクトな映像表現が目立ち、あざとさすら感じるような場面もあった。美しく撮るのであるが、何事も美しい訳ではないので。
他人の親子喧嘩に入ってくる姿には笑ったが、浅黒くやけた肌と性に積極的な女性像と内向的な男の子像のコントラストが効いている。女子側のストーリーの明確さに対して、男子の方は特にラストの行動が不明瞭。コンプレックスの塊か。前半に実の父親まで連れてきて、どのような変化で性を受け入れたのか分からなかった。
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