劇場公開日 2014年5月24日

「「お笑い芸人の初監督作品としてはまぁまぁ」でいいのか?」青天の霹靂 CRAFT BOXさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0「お笑い芸人の初監督作品としてはまぁまぁ」でいいのか?

2015年1月8日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

単純

お笑い芸人が安易に映画監督をする時代という感もあり、劇団ひとりの初監督作品ときいて意外に感じた。
ただ、同世代のお笑い芸人である品川祐の作品に比べれば、まだ「監督として映像で表現したい世界観」みたいなものは感じられた。しかし、やはり肝心な問題として面白くない。構成の粗さが目立つ。
また、タイムスリップものでありながら、タイムスリップした主人公が未来人である面白さがほとんど活かされない。タイムスリップものというよりも、若き日の両親と出会う事に意味があるのかもしれないが、やはりタイムスリップをしたからこその面白さはもう少し必要だろう。
例えば、昔の浅草にタイムスリップしたのだから、実存した古い芸人さんを上手く使うとか、主人公が若きMr.マリックにマジックを教えるようなシーンを軽く挿入するとか、そういうタイムスリップものとして王道パターンを入れるだけでも良い。もちろん、この辺は工夫次第でいくらでもできるので、監督の力量が問われる所だが、本作はそこから逃げてしまっていてもったいない。
肝心の3人の親子関係についても、イマイチ深く勾留できたように見えず、これだけで親子の再生に結びつけるのはやや強引だと思う。
まぁ、今後に期待してみようとは思える出来だったので、次作を待ってみたいとは思う。

余談だが、それにしてもお笑い芸人が、原作、脚本、監督などを兼ねたがる傾向があるが、いかがなものか? 別に挑戦するのは自由なのだが、例えば脚本だけで挑戦して監督・演出は他の人に任せてみるとか、映画現場の経験のないうちに何でもかんでも手を出せば良いってもんじゃないとおもうのだが……。

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CRAFT BOX