「最悪のラスト」青天の霹靂 鈴木公成さんの映画レビュー(感想・評価)
最悪のラスト
ダメな映画でしたね。
まず大泉洋が合ってない。
「水曜どうでしょう」は好きですが、こういった映画で主役をやらせるとどうにも白けます。
同様に劇団ひとりも何だか白けましたね。コメディアンとしては好きなんですがどうにも。
この二人を別な芸人として色の付いてない役者を起用すればもう少し違ったかもしれません。
次にストーリー。
ありがちなタイムスリップもので、しかも過去作を遥かに下回っている。
人生に絶望したりダメだったりする主人公が過去やパラレルワールドを見て存在意義に気づいたり生きる気力を取り戻したりというのはよくありますね。古くは「クリスマス・キャロル」や「素晴らしき哉、人生!」など。
しかし本作は全然ダメ。
まず現在の主人公のダメっぷり。絶望が全然描かれていないので感情移入できない。
そして過去においても、父と母の馴れ初めやら愛を育む様子が深く描かれていないのでこれも感情移入できない。
以上のような理由もあり、途中で主人公が「父母は自分が思っていた酷い奴らでは無かった」と気付き、感情を爆発させるシーンがあるのですが、そこが全く共感できませんでした。
ひとりはバック・トゥ・ザ・フューチャーすら見ていないのかな?
あんな感じでくっつくのかどうなかハラハラさせ、ようやく愛を育む、といような描写があればまた違ったのかもしれませんが。
そしてクライマックスですが、主人公の誕生と共に命を引き取る母、そして現代に戻る主人公。
主人公は生きる意味を見出し新たな一歩を踏み出す。
この辺は少し感動。
「終わりよければ全て良し。2点にしようかと思ったけど3点あげようか」
と思ったのですが、、、
最後に親父が生きていて、
「ありがとう」
というくだらないセリフ。
これで全て台無しです!
ちょっとの感動も冷める最悪のラスト!
1点です。