「過剰な夢を叶えさせてくれるカタツムリ」ターボ 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0過剰な夢を叶えさせてくれるカタツムリ

2016年3月11日
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鑑賞方法:DVD/BD

楽しい

単純

人間界のカーレースに憧れるカタツムリのテオ。
ある時、車のエンジン内に巻き込まれた事をきっかけに、レースカー並のスピードを手に入れ…。

ディズニーやピクサーは必ず劇場公開されるが、ドリームワークス・アニメーションは日本未公開も多い。
本作も未公開。
また、当り外れも多い。
「ヒックとドラゴン」のような秀作がある一方…

気楽に見れ、楽しいのは楽しい。
レース・シーンのスピード感!
個性豊かなキャラクターたち。
笑いと感動、カタツムリと人間それぞれの兄弟愛。
諦めなければ夢は叶う。
映像のクオリティ。
これだけ揃っていれば文句ナシの映画の筈なのに、どうしても気になってしまう二点があった。

レースカー並の世界最速のカタツムリ。
この設定がね…。幾らなんでも無理あり過ぎ。
その能力を手に入れた経緯も描かれるのは描かれるけど、これまた放射能で怪獣化する並のトンデモ設定。
ネズミが料理人になるライバル会社のアニメもびっくり設定だが、あれとは意味合いも似て非なるような…。
アニメならではのユニークさと割り切ればいいのだろうけど、アニメだから何でもアリというのは子供騙しに過ぎない。
これにノレるかノレないかで見方が大きく変わってくる。

それから、“諦めなければ夢は叶う”と好意的に書いたが、それはあくまで形式上。
過剰、大袈裟なメッセージ。
学年ビリのギャルが偏差値高い大学に合格するならまだしも、カタツムリがカーレースに出場するなんてさすがに…。
これを見て、俺も出来る!…と真に受ける人は居やしないと思うけど。
夢を諦めない気持ちは勿論大事。それを非現実的にじゃなく、背中を一押ししてくれるようなエールとして描くのが映画。

それにしても、冷ややかな見方で困ったものである(>_<)

近大