劇場公開日 2014年3月1日

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「ヤるだけ…なのか?」愛の渦 唐揚げさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ヤるだけ…なのか?

2021年11月29日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

興奮

知的

幸せ

とあるマンションに集まったセックスがしたい男女8人。
午前0時〜午前5時まで。
ちゃんとゴムを付ける、行為・トイレ後は必ずシャワーを、女性の意思尊重、乱暴はしない
あとはご自由に。
裸で放たれた男と女の欲望に塗れた一夜の物語。

今年は門脇麦の出演作を新旧ともによく観ている。
セックスと会話劇を交互に挟み込み、決してエロだけで終わらせない飽きない作り。
ただし、展開は物凄くゆっくり。
普通なら半分くらいにできるが、あえて思いっきり時間を使ってぎこちない男女の“交渉”を描く。
ドラマ『初情事まであと1時間』でも思ったが、三浦監督はぎこちなさの天才だ。
なかなか言い寄れずにずっと気まずい雰囲気となるあの空間。
物語上、主人公が陰キャの池松壮亮と門脇麦ってのも面白い。
別にハブられてるわけでもないけど、会話に全く参加できない人っているよね。
自分も「〇〇君は?」と聞かれてから話に参加するタイプなので、ずっと黙り込んでる2人は自分を見ているようで苦しい。
気まずい雰囲気→打ち解ける→本音→気まずい雰囲気→新たなる刺客→和解
2時間の会話劇でこの心情変化。
少し打ち解けてもすぐに気まずい雰囲気に戻るような、このダラダラ感が堪らない。

誰とヤるのか問題で現れるそれぞれの本性。
セックスを通して現れる差別や偏見。
顔が良いからヤるのか?
好きな相手だからヤるのか?
乱交パーティーとはいえ、きっと誰でもいいわけではない。
体の相性ってものがある。
平等とか公平とかあるけれど、やっぱり相応の相手とヤるのが一番良いんじゃないだろうか。

セックスで集い、セックスで拒絶して、セックスで分かり合う。
普段の生活にも応用可能な他者とのコミュニケーション。の究極型。
「好きになってんじゃねぇよ」「ここ、風俗だから!」
新井浩文の他愛ないセリフが一番響いてしまうという、なんとも…

唐揚げ