白ゆき姫殺人事件のレビュー・感想・評価
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おもしろかった~
同じ「羅生門effect」手法を使いながら、『告白』ほど暗くなく、軽い感覚でグイグイ引っ張っていく演出は見事でした。
井上真央程の美人なのに、なんとも幸薄そう感な彼女の演技力も秀逸。
ネット社会の闇と恐怖を、サラっと見せているのがなんとも怖い。自分は善人で、容疑者の味方であると信じている者が、実名をアップするという最大の加害者になっている事実。結局一番心が通じ合えたのが、言葉もなにもない「ろうそくの火」だったというオチに、考えさせるものがありますなぁ。
心
ネット炎上、冤罪、記憶の捏造。しょうもないテレビのコメンテーターが人一人の人生をも壊せるという事実。
また、主人公の周囲。人は自分の立場を守る簡単につける嘘は必ずつく事を再確認。
表舞台で絵に書いたような順風満帆な人生ではない人間だからこそ共感出来た部分も多々あり、勘違いしてる阿呆が「犯人分かった」みたいな的外れなレビュー書いているのであろう。
最後、親友と通じ合えててよかった。
予想通りの展開
湊かなえの小説の映画化です。被害者や被疑者のまわりの人物の話で被疑者の人間像を描いていって、最終的に犯人は別の意外な人物という予想通りの展開です。ツイッターやマスコミが本人とは関係なく、自分達が望むような犯人像を作り上げるというのも目新しいものではありません。役者も演出も悪くはないですが、観にいくだけの魅力もないような気がします。
勝手な想像と捏造。
今回もかなりリアルで気味の悪い話だった。
湊かなえ作品にはいつもこんな感想が共通する(誉めてます)
自分から見た自分と、他人から見た自分との明らかなる違い。
出てくる証言の数々のなんと恐ろしいことか!(汗)
犯人だと名指しされる城野美姫のキャラクター作りが功を奏し、
こういう人、いるいる。と思わせるのに大いに一役買っている。
一番怖いと思ったのは、ワイドショーの再現映像やインタビュー
映像って、あんな風に作られていくのね?と思わせる段階構成。
こうだと決めつけて報道され、徐々に転げ落ちる容疑者の運命。
まだ警察も何ら発表していない時点での実名公表や、誹謗中傷の
かなり身勝手な一人歩き。それを煽っているSNSやツイッター。
過去のどの時点にもイジメが介在し(教師まで加担している状態)
それは会社勤めしても変わらないんだよ?とまで言いきる実態。
今作を観ると何て酷い世の中なんだろうと思わずにいられない。
一方で、どうして人間は外見で他人を判断するんだろうという、
仕方ないけど迷惑千万(爆)な一方向評価の度合いも著しく怖い。
私的に井上真央も菜々緒もかなり美人な方だと思うんだけど、
顔が良くて頭が良くてモテる人の性格がいいワケないじゃん!(爆)
と、結局ヒガミしか出てこないのがオンナ特有の嫉妬なのである。
必要悪な存在として描かれる小学校の同級生や三木典子だが、
TVのリポーターがいう、むしろ学歴コンプレックスを抱えていた
のは三木典子の方だったのでは?というコメントに甚く笑えた。
結局そんなものである。他人の評価に脅えるくらい小心者だから
自身を際立たせることに余念がないのだ。そしてそういう性格は、
常に誰かを貶めていないと気が済まないところが特徴だったりする。
誰にどう評価されるかは、自身が常に相手をどう評価しているかに
集約されているのでは。多かれ少なかれ反面教師なのである。
果たして城野美姫はどういう人物だったのか。
後半で城野自身が自分に起きた出来事を延々と手紙に書く場面が
出てくるが、ここでの出来事だって真実とは言い切れない。
「記憶は捏造される」のだそうだ。あぁ確かにそうだな~と私も思う。
事件の真犯人の突飛性(観ていればだいたい分かる)は怖いままだし、
本当の親友との光通信(赤毛のアンより)は最後まで貫き通されるし、
迷わず轢き殺すつもりだった?かのような疑惑のラストシーンなど、
展開の総てに「?」がつくという、だから人間の全てなんて分からない、
勝手な想像が人物を語る。という、恐ろしくリアルな作品なのである。
(菜々緒は死体が一番の演技^^;ってそれもどうかと。女は怖いよ~)
淡々と
煽り少なく淡々と物語が進行していく。
そんな流れを退屈に感じた。
特に、落胆したシーンが貫地谷しほりとのカチカチシーン。
子供の時は良いのに、
大人になった井上真央が様々な経験を積んだ
上でカチカチしてるのは
バカバカしい。
貫地谷しほりが、リアリティないのは置いといて成長してない設定なので仕方ないにしても
井上真央は、走って会いに行ってやれと。
そして、そここそ情熱的に感情的に描いて
許されるシーンに感じた。
ただカチカチしあうなんて閉塞感だらけで
落胆した。
空いた口が塞がらない…
と、いう言葉…こういうことに使うんだなって、この映画をみて思いました。
まさか、初めのあの人が犯人だなんて思ってなかった。これは、凄いオチでした!!
城野さんが犯人じゃないと、私も観てる人たちもずっと信じていたんじゃないかと思っています。だから、本当に良かった!井上真央ちゃんは、本当に素敵な女優になったなって思いました。綺麗な形で終わってくれて…涙もあり、本当にホッとした映画でした!
観賞後に考えさせられる作品
期待通りに面白かった!
内容は分かりやすかったと思うし、SNSの描写も現代感があり、良かったです。
観賞後に考えさせられる作品は好きですね。
ただし、犯人があっさり分かってしまったので、-0.5としています。推理したとかではなく、唐突に明かされます。
捏造されるヒトの記憶
気軽に、簡単に、無責任に、不特定多数の人に、情報交換ができてしまうSNS。
一度発信したら取り消すことが出来ないことを理解した上で、モラルのある、自分で責任を持てる発信を心掛けたい。
ミステリーと思うなかれ
インターネットの嫌な側面が全面的に出ている。言いたいことはよくわかる。
ミステリーと思って見ていたら、そうではなく、人間ドラマでした。とはいえ早い段階で犯人が読めてしまうのもどうなんだろう。それに人間ドラマとしたら主人公が成長していないのも気になる。
井上真央は好演していたが、なぜか印象がうすい。金子ノブアキの裸が貧相すぎる。
配役が…
面白かったけど、特に斬新だと思う部分はなく無難な内容。
キャスティングが、地味なOL役の井上真央の方が、美人OL役の菜々緒よりも、全然美人だから違和感があり過ぎる。メイクを薄くしたり、表情や演技で地味さを表現してたけど限界を感じた。元々のポテンシャルが高過ぎるんだよな。
すごく現実的な映画だと思います。
テクノロジーの進歩とともに、人々の心がどんどん離れてしまう。時代にながれだされずに、どんな原始的な手段であっても、心を照らし合わせるような交流がますます大事になるのでしょう。
あとは、女って怖い、もうつぶやいたをやめよう
と二つの結論に至りました。
以上(=゚ω゚)ノ
非常に良かった!
非常に面白かったです。
前回の「告白」と同様に色々と勉強になった、と思っています。
あと、井上真央さんの演技力がすごかったです。
以下、内容について、長文ですが、感想を書きます(ネタバレ含む)。
この映画の面白さは、ズバリ、「同じシーンなのに、語り手によって影像が微妙に違う」ところです。つまり、みんな自分の都合のいいように話をする、ということが、映像化されているところです。
自分の都合のいいように話をする、ということは、分かっていても、なかなか具体的にイメージが湧きづらいと思いますが、この映画を見て、「なるほど、こういうことなのか」と思いました。
そして、みんな完全にウソをついていない、ところも面白かったです。ところどころ、ホントのことを言うけれども、自分の意見を補うため、自分の立場を守るため、あるいは、自分を良い人に魅せるために、簡単にウソを織り交ぜている、というところが、なるほどなぁと思いました。
この映画を見て、リアル感が無くてつまらないという方も居らっしゃるかもしれません。
確かに、殺人の恐怖感、緊張感はそこまでないです。
風邪薬で寝てしまう点やコインランドリーで鍵かけてない点は、確かに少しリアリティーに欠けます。ですが、この映画のポイントは、殺人シーンのリアルさではないと思います。
人が簡単にウソをつくこと、都合のいいようにしか話をしないことは、日常茶飯事なことで、その点は、かなりリアリティがあったと思います。
また、赤星(綾野剛)が最後にボロボロになったことについても、簡単に、あっさりと、身近で起こりうる話で、怖かったです。(ここもこの作品のポイントだと思います。)
現実の世界(仕事や家庭)で上手くいっていない人が、ネットでちょっと目立ちたいと思ったがために、ツイッターに書き込むをする、というのは、誰もが簡単に出来てしまうことだと思います。
今回の話では、城野美姫が助かっているのでまだ悲劇にはなっていませんが、もし、自殺してしまっていたら?
ネットで目立ちたいというちょっとした出来心で、人を死に追いやるわけです。
ちなみに、この作品の一番の被害者は、赤星(綾野剛)だと思います。そして、赤星(綾野剛)と同じ立場に、誰もがあっさりなってしまうところも怖いと思いました。
(なので、綾野剛さんが事件の真相を暴いていく話のほうが面白い、というのは、よく分かりません。なぜなら、彼はミステリーでいうところの、刑事役探偵役ではなく、被害者なのですから。まあ、自業自得な被害者ではありますが。)
人は簡単にウソをつくこと、それも、悪気があるわけではく、ちょっとした保身のために、ウソをつくこと。そして、真に恐ろしいのは、それを鵜呑みにしてしまうことだと、感じました。
ネットは便利なもので、現代社会において、既になくてはならないものではありますが、その扱いについて、改めて、気をつけないといけないな、と思いました。
このレビューを読んだあなたもぜひ、「大切なことを見落とされないように」してください。
p.s.
城野美姫は、果たして、ホントに「完全にシロ」なのでしょうか?
この作品のポイントは、「人は自分に都合のいいように話をする」という点だとすると、城野美姫が手紙に書いて話している内容もまた都合のいい解釈が入っているのではないでしょうか。
(まあ、流石に私が人間不信すぎるだけかもしれませんが。)
そういった余韻を感じられるところも良かったと思います。
全く良さがわからない
皆さんの評価が良すぎて申し訳ないのだが、私には全く面白くなかった。
期待していたんだけどなぁ、
ドキドキもワクワクもハラハラもない。
出てくる登場人物がどれも魅力を感じない。
あえていうなら、貫地谷しほりさんの役は良かった。
最初からなんとなく犯人わかるし、そもそも動機が薄っぺらすぎる。睡眠薬じゃなくて風邪薬とか、、コインパーキング止めてカギつきで置いていくとか何それ。
ネットだけで犯人にされちゃうとかならわかるけど証言の裏付けとか全然とってないのに、簡単にTVで放送しちゃってるし警察一回も出てこなかったし、、
サクッと殺されちゃって恐怖感全然なし。
あるとしたらネットとファンは怖いってことか。
ただ、演技は井上真央さんがすごく良かった。歩き方とか姿勢とか、地味なOL感がうまい。菜々緒さんも良かった!意地悪さがでてて。綺麗だし。
綾野剛さんが事件の真相を暴いていく話のほうが面白かったと思う。
まさか、TVであっさり逮捕されましたーとか、、
つまらなすぎる。
これなら、家で寝ていたほうが良かった
ドキドキハラハラ
湊かなえ原作ということで、前から楽しみにしていました。
原作は未読です。
今までにない感じの映画でした!
あかねや典子さんみたいな人、いるいるー!と感じた人は少なくないでしょう。
リアルタイムでツイートするものたちのやりとりから、臨場感が出ていました。
犯人探しというよりは、真実はいったい何なのか?SNS上で繰り広げられる根拠もない噂話の増幅の怖さが描かれていて、ゾクゾクしました。
蓮沸さんの演技が良かったです。
髪型から最初誰だか分かりませんでした。
前半と後半の顔つきの違い、ちょっとしたことから快感を覚えた時のニヒルな笑い、殺人の時の無感情さ…素晴らしかったです。
※このレビューには脚色が含まれています※
人は観たいものを観たいように観て、
さらにそれを自分の語りたいように語る。
その現実を、限りなく痛烈に描く。
原作は未読です。
原作の作者がイヤミス(後味が嫌になるミステリー)の作品を書く方らしいので
過度な期待をせずに観に行ったのですが
いや面白かった!
語りたい内容は既にタイトルにも書いたのですが
本当の真実というのは
自分で体験しないと分からないんですね。
本当に知りたいなら、人から聞いた情報を鵜呑みにせずに
自分の目で見て、自分で判断する。
それを如実に示す演出がとても上手かった。
前半一時間で次々に明かされていく各関係者の証言は
色々な細かい部分で食い違いを見せるのですが(語りたいように語るとはこの事)
後半一時間で井上真央演じるヒロインの独白として、その
「観たいように観て、語りたいように語った虚構」
このすべてを否定し、一から真実を暴き出す。
この演出には痺れました。
題材がTwitter、マスコミ、ネット炎上と
リアリティーに溢れているので
とっつきやすいのもいい。
「ネットは真実を暴く」
いやいや違うだろうと思っていたら
次のツイートで
「ネットは冤罪を作る」
いやそう!まさにそれ!と笑ってしまいました。
また、アンとダイアナの設定を終盤でもう一使いしたり
幼少時の王子様(?)の設定を現代でも使ったりと
とにかく一つ置いたキャラ設定に投げっぱなしがない。
キャラか脚本どちらかが崩壊して駄作と言われる駄作が跋扈するなかで、これはお見事。
この辺りは原作の力ですよね。
(確か原作の方は一つ作品を書くにあたって登場人物の履歴書を作る、と見た記憶があるので。)
さらに、ラストの演出。
まず、二人を初めて鉢合わせさせる。
そして更にここで、幼少の頃のキャラ設定をもう一つ使う事により、綾野剛演じる主人公に救いを与える。
主人公はバッドエンド一択と決めてかかっていたのでこれは予想の斜め上。
火サスの二時間枠でいい、そう思っていた時期が私にもありました。
ぜひ鑑賞を。とくにSNSが生活の一部だという人。必見です。
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