白ゆき姫殺人事件のレビュー・感想・評価
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井上真央と中村義洋監督の相性の良さがもたらした良作
湊かなえ氏の小説を井上真央主演、中村義洋監督のメガホンで映画化。 過熱報道、ネット炎上、口コミの衝撃といった現代社会が抱える闇を描き出して2014年に公開したわけだが、これらの問題は2020年になっても変わることがなく、むしろ深刻化しているように感じる。それだけに、14年に封切りした意義がある作品といえる。 井上の演技はぶれがなく、中村監督の意図をしっかりと理解していることが随所でうかがえる。 また、驚かされたのは菜々緒。今作が映画デビュー作となったわけだが、殺害されてしまうのにヒール的な要素も併せ持つという難役を嬉々として演じ切った。自らの役割をきっちりと認識している頭の良さも含め、今後さらなる活躍が期待できる逸材ではないだろうか。
全然怖くない、怖い話
ビジュアルとタイトルに惹かれず、見ていなかった作品。 おすすめされたので見てみた。 話の展開としてはとても好きで、思っていたより好印象。 女のドロドロとした感じ、みんなが好き放題、わざとでもわざとでなくても、嘘や真実と違うことを話すのも面白かった。 犯人も、わたしの中では「お前か!」という意外性もあり、犯人の犯罪を軽く考えている感じも非常に好み。 だけれど、全体的に明るく、暗さがないのが個人的には好きではなかった。 話はすごく良かったけれど、怖さを感じない。 ツイッターの書き込み、手のひら返しも面白かった。 けれど、全てが怖くない。 逆にそれが良い人もいるだろうなという印象ではある。 結局どれが嘘で、どれが本当か分からないのが良かった。 個人的には、最後、加害者と思われていた姫野美姫が死んでから事実が発覚してほしかった。
アマブラのお勧めに何度も出た
アマブラのお勧めって優秀なのかな? 思うところは有るが、興味深く見られました。 よく(マスゴミ)って表現されることがありますが、確かに捜査機能も無いマスコミでも、テレビのニュース(ワイドショーでも)で扱ったら結構な確率で信じる人は多いかと思います。 『有りますよ、良いこと。』で終わらせちゃダメでしょ。 人の人生メチャクチャにしてるんだから。 要領の悪い人が不幸になるストーリーって、スッキリしないです。 (ただの私の好みですが。)
人間の怖さをあぶりだした
犯人は、城野美姫として本人は少しサイコパス気質のある女だというミスリードをさせて物語は進んでいく。本人視点を見てみると、決めつけの怖さや印象操作の怖さを実感する 自分の都合のいいようにするために嘘や記憶の捏造、誰が本当の証言を言っているのかわからない、だから冤罪はなくならないのだと。 真相は真相を語る人にしかわからないからたどり着くことが難しい とくに、付き合っているの判断基準は人それぞれだということ。 あの男の証言を聞いていると、城野は虚言癖がある人だと思ってしまう。 そういう価値観や感覚の違いで間違った人間像が作られていくんだな...こわい snsの使い方を見直すことだと思う。snsは簡単に嘘を作りやすい世界だから、嘘か本当かを判別することが必要、悪いことをした人を必要以上にたたくのも違う。その景色を見ている人にしかその人の気持ちはわからない。そもそも悪いこと自体をしていない可能性もあるということも視野にいれてつぶやかないといけないと思った。 一番のサイコパスは小学校の先生。いじめに加担ましてや発端になっていたやばい先生... 人格形成に悪い影響を与えている元凶...あんな教師を放っておくなんて危険すぎてww にしても、犯人に間違えられるは、推しを不運な巻き添え事故で突き落としてしまうは、悪いことが重なって悲劇すぎたね あんなに事件を追っていたのに、鉢合わせてまったく気づかなかった綾野剛はやばくてわりとサイコパス...
菜々緒の映画デビュー作品
SNSやマスコミによって作られる空気の怖さを扱った作品。近年、似たようなテーマの映画やドラマが多数ありますが、その中では面白かったです。 駅の階段を猛ダッシュで登る井上真央は良かったけど、超絶美人役の菜々緒と同期の影の薄い人役って可哀想じゃない? 人には多面性があり、見る角度によっていろんな一面を見せるものだけれども、どっちから見てもペラペラな薄さを醸しだす金子ノブアキの演技がお気に入り。
秀逸な引っ掛け
この物語は、見る人を引っ掛けている。 タイトル通り犯人が誰かを推理するように設計されている作品だ。 つまり見る側は誰が犯人なのかという視点で作品を見ることになる。 作中で実際に起きた殺人事件。 TV局は当然ながら犯人像を追う。そのTV局の契約社員の赤星が被害者の同僚である知人・狩野理沙からのタレコミに引っ掛かり誘導されていく。 あたかも事件を追いかけている赤星は、刺殺された三木典子の同僚の狩野他数人の同僚たちからSつまり城野美姫が疑わしいとして、ツイッターなどで注目されるようになる。 同時に視聴者は彼の行動を見ながら、真犯人を追いかけるのだ。 ここに引っ掛けがあるのだ。 湊かなえさんが仕組んだこの策に引っ掛かれば、殺人事件の真犯人を暴く面白さを味わえる。 しかし、これらすべては実際に起きた事件と因果関係はない。警察によって事件捜査が行われ警察によって事件は解決する。 この作中に登場した人物たちの証言などは、一切警察の関知するものではなく、警察は全く別路線でこの事件を追いかけていることがわかる。 そしてその策に乗せられた私たちこそ、SNSで呟いていた者たちと同じなのだ。 湊さんが笑うようだ。「これがわからなければ、あなたも呟きチームと同じね」 ツイッター上では彼の情報に翻弄され、Sという人物の特定に走り、彼がTV関係者だと誰か(夕子)が指摘すると、彼に対し文句を言い始める。我々は投稿者と同じなのだ。 事件は起きた。誰の仕業だ? 事件とは関係ない「私たち」は、単なる興味本位で真相を探ろうとする。そして実際に探り始めた人(赤星)に対し、彼の日常生活や仕事のやり方などに文句を言うのだ。 やがて、思った通り、犯人は城野美姫ではないことが見えてくる。 実際、城野美姫について時系列で追いかけると、彼女は狩野にそそのかされて三木典子からチケットを奪い新幹線に乗って東京へ行く。コンサート会場に現れた芹沢ブラザーズに近づいて握手しようと試みた際、群衆に押され彼が階段から転がり落ちる。動揺しながらその場から去り、ビジネスホテルに泊まって重い夜を明かす。翌朝のニュースが伝えていたのが、三木典子が刺殺された事件だった。そしてすぐにSという人物が犯人ではないかとワイドショーで騒がれ始めることになる。彼女はそのままビジネスホテルから出られなくなってしまったのだ。 視聴者は、当然だが、赤星と一緒に事件を追いかける。ツイッター投稿者と同じで。 しかしそこには全く因果関係のない城野美姫へのレッテルが渦巻いている。 犯人探しをしているから当然の視点だ。 ここに湊かなえさんは策略を引っ掛けたのだ。その本質は「いじめ」と同じなのだ。 赤星が取材した内容はすべて彼らの勝手な思い込みで、彼女へのレッテルだ。そこに真実などないのに、どうしてもそっちに引っ張られてしまうのだ。 このごく「一般的な人間性」を湊かなえさんは描いたのだと思う。この作品を見て「違和感」を感じない場合、策に引っ掛かったと思っていい。 だから最後はパロディタッチにしたのだろう。事故を起こしそうになる場面で二人が出会うのは、「事故にならずによかった」という暗示かもしれない。 この物語は、真犯人狩野理沙が知人である赤星をミスリードに導き世情的に城野美姫を犯人に仕立て上げようとしたことに由来する。警察と一切接点が出ないこと、同僚などの証言はすべてバイアスまたはレッテルによっていじられ、そこに真実はなかったこと。 気づくべき点は、そうして我々は知らず知らずのうちにそうしていますよということだ。 「いじめの構造」これがこの作品が伝えたかったことだろう。
何が正しいのか、正しいとは何か
見る人が違えば印象は変わるし、知らない誰かの発した言葉は人に触れて乱反射してく そんなことを思いながら、白ゆき姫殺人事件を観てた 簡単に他人のものを奪える人は世の中にいるんだよね 何が罪なのかな 顔も知らない人を、とやかく言うのは気をつけたいと思う SNS上にはいろんな事件が流れてきて、我々は身勝手にいろいろな事を言うけど、そこの怖さを少し考えていきたいと思った。 とりま、綾野剛は軽薄な役も上手いけど、井上真央は拭えない花があって、そこは適役かどうか疑問
テレビで怪しい容疑者としてピックアップされた城野美姫(しろの みき...
テレビで怪しい容疑者としてピックアップされた城野美姫(しろの みき)。 警察ではなくフリーライターの赤星が体を使って城野のことを調査する。 徐々に城野という人間を知る過程が面白かった。 原作は未読だが、本作は脚本も演技もわかりやすくて良かった。 バイオリンの演奏も良かったし、魅力的な俳優達は目の保養になる。
無責任なメディアとネット界隈を楽しむ
原作小説を読んで、映画になっていたことを知って鑑賞。 原作とメディアを変えつつも主題に差がないよう配慮されていて結構よかった。 まあ城野さんが可愛すぎるとは思いつつ、赤星氏は原作より適当さが出ていてよかった。 原作→映画でガッカリ感なく楽しめた。
姿を消した容疑者は何処にいるのか? 126分の映画だが、105分ごろまで真相は判らないと思う。 きっとあなたも騙される。 今まで見た湊かなえ昨品とはちょっと感じが違った。
動画配信で映画「 白ゆき姫殺人事件」を見た。 劇場公開日:2014年3月29日 2014年製作/126分/G/日本 配給:松竹 井上真央 綾野剛 菜々緒 金子ノブアキ 小野恵令奈 谷村美月 染谷将太 蓮佛美沙子 貫地谷しほり 生瀬勝久 秋野暢子 ダンカン TSUKEMEN 宮地真緒 朝倉あき 大東駿介 「告白(2010)」を見たので、湊かなえ原作昨品を続けて見てみた。 美人でスタイルが良くて性格もいい 化粧品会社の女性社員(菜々緒)が山の中で焼死体で見つかる。 テレビのワイドショーの契約社員(綾野剛)は化粧品会社の知人から情報を得てこの事件を追うことになった。 犯人は誰が見てもあの人である。 それを裏付ける状況証拠はいくらでもある。 ワイドショーが連日報じる。 姿を消した容疑者は何処にいるのか? 126分の映画だが、105分ごろまで真相は判らないと思う。 きっとあなたも騙される。 今まで見た湊かなえ昨品とはちょっと感じが違った。 満足度は5点満点で5点☆☆☆☆☆です。
女ってこえー
話の進め方や色々な人の視点が上手く埋め込まれていてとても面白かった 伝言ゲームみたいな、リアルでもその人が意図して放った言葉や表情が捉えた人によっては良い様にも悪い様にも受け取られてしまう そこが怖いなって思わせてくれる作品でした 花男の時の芋臭いイメージが強かった井上真央だったけど普通に綺麗だね!
実際に起きた殺人事件をヒントに組み立てたミステリーの傑作映画
2000年に起きた「恵庭OL事件」 交際相手が被害者に心を移したことを恨んだ元恋人が、 人気のない林道で被害者を絞殺して遺体を灯油で焼いた事件である。 映画は殺された三木典子(菜々緒)が、長野県しぐれ谷国定公園で 滅多刺しにされた上に燃やされて遺体となって発見される。 紀子を恨んでいたとされる恋人を奪われた同僚の城野美姫 (しろのみき=井上真央)は、事件の夜から行方不明になっている。 テレビ局契約ディレクター赤星(綾野剛)は元カノの理沙子(蓮佛美沙子) から「すごい事件が起きた」と連絡を受ける。 典子の後輩の理沙子の情報は詳しく非常にタイムリー。 赤星はレッドスターの名でツイッターをしていて実況のようなツィートは 評判を呼び、ネットでは「白雪姫殺人事件」として有名になり、 城野美姫はいつしか殺人事件の犯人にされて行く。 この映画は2014年公開で、今では珍しくない手法だが、 ツィッターを画面上に表示して臨場感を煽っている。 そしてSNSが作り上げる人物の虚像と実際の人間の落差が甚だしくて、 SNSの恐ろしさをまざまざと浮かび上がらせている。 そにしても菜々緒の演じた美人で人気者の三木典子。 この女性の実像や悪意。 人間の闇を原作者の湊かなえは見事なまでに浮かび上がらせている。 傑作ミステリである。
真実は本人からしか語られない
いろんな人の主観が入り、結局何が真実か分からないままに物語が進む。 真実は、結局本人からしか語られることはない、ということがよく分かる話。 事件は解決したものの、容疑者の境遇が不憫で何となくすっきりしないような、重たい気持ちが残る。
地の文は信じても対話文を信じてはならぬ
それがミステリーの鉄則。 ましてや供述など嘘ばっかり。というより、自分でも嘘だと思ってないのが厄介な所。 まさに湊かなえ節。 そういえばこの展開は「告白」によく似ている。 語る人によって、状況が少しずつ変わってる点。 ひとは皆、自分に都合のいいように記憶しているものだと、つくづく思わされる。 ミステリーとしての出来がピカイチなので、すごい引き込まれる。 ただ、さすがに有り得ないだろと、画面に向かって突っ込んでしまうぐらいのとんでも展開もあるだけに、ちょっとだけ点を下げさせてもらったが、概ね予想を超える満足度でした。
原作は未読だけど湊かなえって感じ。 人間の嫌な部分、さらにネットを...
原作は未読だけど湊かなえって感じ。 人間の嫌な部分、さらにネットを通すと怖いと感じた。 自分の良いように、都合のいいように、その他大勢の意見に同調する。事実から遠ざかっていく。 自分の核たる部分をもっていたいものだ。 様々な人の視点で語られる、そんな脇を固めるキャストも何気に豪華。
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