「あなたにも洗顔ソープ」白ゆき姫殺人事件 しんざんさんの映画レビュー(感想・評価)
あなたにも洗顔ソープ
商品名を変えたら、とか、菜々緒さんみたいな超絶美人もいれば、蓮佛さん演じるブサイクなど、コスメ業界なんて、所詮そんなものである。
本作、SNSの、追いかけるのがめんどくさそうな画面づくりは、「羅生門」っぽいことに今風味付けをしただけに過ぎず、ハッキリ言ってあまり効果はない。
というか、本作、そうではない。
なぜなら、いつだって人は画面の前では嘘をつくことをみんな知っているからだ。
インタビューは昔も今も変わらないが、その画面がPCやスマホであっても同じだ、ということだ。この世で最も信用できない市場調査は街頭インタビュー。
本作まず何と言っても問題なのは、綾野剛氏演じる男が常に先に行っているような展開。警察は何をやってんだ、と。協定はどうなってんだ、と。あまりに展開がご都合すぎるし、井上さんが見つからない理由はそうであったとしても、時間軸がめちゃくちゃ。子供時代の回想も無駄。
そう、本作、その辺はわざとで、はっきりコメディ。
なので、もっと菜々緒さんの颯爽とした姿と、めった刺しにされた姿にウットリしたり、井上さんのどんくさい階段シーンに爆笑したり、谷村さんは収まりどころがおかしくなってきたなあとか、貫地谷さんの引きこもり役ってどういうセンス?と思ったり、そして蓮佛さんに絶賛したりと、見どころはストーリー以外、という原作殺しで楽しむのが本筋。
追記
結局、菜々緒さんがジェラシーにまみれた悲劇のヒロイン、そして地味だけど、美人で、根が優しい井上さんには優しい結末が、そして絶賛蓮佛さん演じるブサイクが、、という世の中そのまんまで終わっている点は大変よろしい。
追記2
こういった作品の場合、井上さんの言っていることも信じちゃいけない、というのがセオリーなんだけど、彼女の場合は独白なので、本作の趣旨からとしては、それは「真実」なのだろう。
だけど彼女には 妄想癖があるんだよね。この辺を踏まえると、もう少し面白くできたのでは、と思ったりする。