「金星怪獣イーマの悲劇」地球へ2千万マイル 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
金星怪獣イーマの悲劇
地中海に不時着した金星探索ロケットから未知の生物が逃げ出す。地球の大気に触れ、みるみる巨大化していく…。
レイ・ハリーハウゼンが特撮を手掛けた1957年の作品。
日本では未公開だが、ハリーハウゼン・ファンなら知らぬ者は居ない隠れた名作。「金星怪獣イーマの襲撃」のタイトルでも知られる。
造型もさることながら、ハリーハウゼン・マジックによるイーマの細かな動きが素晴らしく、ずっと見ていても飽きない。
象とのバトルは本作最大の見せ場の一つ。
そして、イーマには何処か哀愁を感じさせる。
物語は「キング・コング」がベース。
イーマには何の罪も無いのだ。
映画を見れば分かる通り、自分から襲ったりはしない。
イーマを凶暴化させたのは全て人間のせい。
誰だって故郷から遠く離れた異国の地で死にたくない。
人間に好き勝手され、コロシアムで砲撃を受けるイーマは見ていて痛ましい。
“金星怪獣イーマの襲撃”じゃない。
“金星怪獣イーマの悲劇”だ。
コメントする