「ラストを納得させる出来でした。」トリック劇場版 ラストステージ Opportunity Costさんの映画レビュー(感想・評価)
ラストを納得させる出来でした。
「TRICK」シリーズ最終作。
思い返せば、第1シリーズが2000年。
ニッポン放送「ゲルゲットショッキングセンター」に出ていた仲間由紀恵がドラマに、
ということで観始めた第1シリーズ。
小ネタ満載。
雑に扱われる仲間由紀恵と阿部寛。
随所に出る大御所役者の戯けた演技。
フレッシュで面白かったです。
当時はこの構図が非常にフレッシュだった。。
時は流れ、シリーズは続き。
第3シリーズのepisode 3「絶対死なない老人ホーム」で観るのを止めました。
正確には「見限りました」。
で、本作。
ラストを納得させる出来でした。
むしろシリーズ終幕が遅過ぎた位。
見所は冒頭10分と終盤10分のみ。
112分の映画で観てられる部分は20分のみ。
…他は本当に酷かった。。
今回の主題となるはずの
東南アジアの僻地にいる呪術師云々の話は全て雑で糞つまらない。
作り手が意図的か否かは別として序盤で展開も含めて読めてしまいます。
で、その想定から1mmもズレない。
吉田栄作もガッカリなノーサプライズでフィニッシュ。
所々で差し込まれる小ネタも本当に面白くない。
意外性も何もなく長年のファンに向けた目配せのみの映画でした。
張り紙ネタは第2シーズンの「なんどめだ ナウシカ」がピークでした。
前述の見所としている20分も
これまでのシリーズ通して普遍的な日常シーン。
これまでのネタの繰り返し。
新たな要素は、ほぼありません。
というか、無いです。
昨年の「SPEC 完結編」を観た時も感じたことですが
堤幸彦 監督は新たなモノが作れない、ネタ切れ状態。
奇想天外なSPECホルダーも作れないし、奇抜で下らないトリックも作れない。
過去のシリーズの残滓で飯喰っている感じ。
どちらのシリーズも新たな要素が全く入っていない、糞映画でした。
SPECと異なり本作は続きを予感させないことも無い作り。
冒頭のトリックと終盤のトリックを意図的にリンクさせている点も含めて
テレビ朝日のスペシャルドラマあたりで復活させようとする厭らしさを感じます。
(序盤の習字教室の厭らしさも鼻につきました)
終盤の或る比較映像はファンへの目配せとして入れたはずが
現在の酷さ、年月が経つ残酷さを浮き立たせるだけの演出。
横からのショットに別人感を抱いたのは私だけではないはず。
13年の月日は残酷、かつ明確で恐ろしい限りでした。
何より悲しかったのが比較映像の方がスタイリシュで尖っていた点。
このシリーズの終幕が遅過ぎたことを改めて感じた瞬間でした。
シリーズファンはレンタルで観ても良いのでは…という程度の本作。
本作でキチンと成仏してくれることを切に願うばかりです。