「脚本が…勿体無い…」MONSTERZ モンスターズ 114645さんの映画レビュー(感想・評価)
脚本が…勿体無い…
笑いがほぼ無く真剣な演技の割に厨ニ病臭く内容が薄い。キャストとVFXの無駄遣い。高い所から落ちる人、物に動きが全く無く違和感。この作品も命の重みに極端な差があり、伝えたいことが上手く伝わってこない。死を恐れているのならもっと発狂すべき。藤原竜也演じる男の設定がよく分からない。人を殺せるのかトラウマで殺せないのかハッキリしない。途中まで抵抗があったのに、作品の演出のため殺しまくる。しっかりと人物の思考を設定すべきだった。人間らしくないのは能力だけで良い。母を殺せなかった理由付けが薄い。もっと愛情を受けている様に見せるべきだった。時系列的に最初に入れている親子のシーンを忘れた頃に殺せないとか言われても、人を山程殺しているのになんでや、マザコンかってなる。兎に角、命の重みの設定を作品の中で統一して欲しかった。せめてキャラクターそれぞれにもっと命の重みをそれぞれ持たせた方が良かった。山田孝之演じる田中終一も他人の死に対して冷静すぎで何が何やら訳がわからない。もう誰も殺さないという台詞も軽く聞こえてしまう。しっかりと設定しておくべきだった。もっと感情を剥き出しにするシーンが作れたと思う。それも惜しいと思った。
邦画のSFはハズレが多い。洋画のマネをしても邦画は邦画だから洋画にはならない。ハッキリ言って洋画だから成立している部分も多くある。大量殺人であったり、爆破であったり。現代の日本が平和な国と言うのは日本国民誰もが了解していることである。その日本を舞台に銃を撃ち合うこと自体、リアリティに欠け受け入れられないのだと思う。洋画は洋画、邦画は邦画で魅せられるものがきっとあるハズだから、日本の映画監督はもっと日本で撮るものについて考えるべき。いくら演技の上手い役者が居ても作品の中の一部でしかない。その作品自体に問題があっては役者はその才能を発揮できない。タイトルと予告だけで興味を引くものが良いのならいつまでも日本の映画は洋画に勝てない。洋画がありえないものなら、邦画はありえるもので勝負しろ。