劇場公開日 2014年4月19日

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「更なる絶望の淵で暗く輝く千夏に魅せられました。」そこのみにて光輝く Opportunity Costさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0更なる絶望の淵で暗く輝く千夏に魅せられました。

2014年5月14日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

楽しい

非常に良かった。

登場人物達を哀しくも輝かせる設定/脚本を軸として。
魅力的な映像表現と、役者陣の素晴らしい演技。
圧倒され心奪われました。

特筆すべきは全てに呑み込まれつつ暗く輝く、池脇千鶴演じる千夏。
初登場の場面から滲み出る頽廃感、そして熟れた肉感。
顔立ちの可愛らしさとのアンバランスも相まって不安定な印象すら受けます。
そんな彼女が過酷な環境下で見せる表情、仕草。
「そうだよね…」という寂しく哀しい佇まいは暗い魅力に溢れていました。

不幸になればなる程、魅力的な佇まいを見せる千夏。
話が進むにつれて感情移入し、彼女に幸せになって欲しい、いい加減幸せになってくれ!!と思う反面。
心の何処かで更なる絶望の淵で暗く輝く彼女をもっと観たいと思う気持ちも。
矛盾した気持ちを抱えつつ作品に没入していました。

そして迎えるラスト。
矛盾する気持ちは一つの結末を踏まえ昇華され。
そしてフッと差し込まれる最後の場面。
…終わり方含めて最高でした。

余計な説明台詞はなく映像で魅せる本作。
終盤に漏れる父親の言葉をどう捉えるか。コイツ今まで分かっていてアレを…等々。
場面場面の解釈を同じく観た人たちと談義したくなる作品でした。

オススメです。

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Opportunity Cost