「三つの家族」そこのみにて光輝く 唐揚げさんの映画レビュー(感想・評価)
三つの家族
舞台は北海道函館。
ある事件からニートとなりパチンコをするだけの達夫、パチンコ屋で知り合った拓児に連れられたどり着いた拓児の家には、彼の姉の千夏、寝たきりの父と世話をする母が暮らしていた。
達夫と千夏は惹かれあい関係を重ねるうちに、彼女の家族の状況とバックにいる中島という男の存在を知る。
自分がまだ映画もエロも知らなかった頃、濡れ場見たさに母親が録画していた本作を母の外出時にこっそり観た思い出の作品。
今考えるとそんな濡れ場メインの映画ではないけれど、当時は池脇千鶴が脱ぐのも綾野剛がおっぱい舐めるのも衝撃的だったわけで…
まあ、それはさておき、今回はちゃんと観ました。
一見、大城一家が不遇すぎる終始重たく暗い映画であるものの、苦しい現状の中にもほんの少しの幸せや希望を見出せる、そんな映画なんじゃないかと。
家族を持つ者、家族を持たない者、家族を支える者。
三方向から見た家族のかたち。
隣の部屋から性の塊のような呻き声が聞こえようが、どんなに問題を起こそうが、家族は家族。
達夫と千夏の浜辺でのラストカット。
あの瞬間、達夫は家族になったんだろう。
脚本や演出、カメラワークなども良かったが、やはり演技派俳優陣の魂こもった芝居が1番の見どころ。
綾野剛は北海道似合うし、池脇千鶴は幸薄似合うし、菅田将暉は夏祭り似合う。
とにかくどの役者さんも熱量が凄かった。
あと北の方言は聞き取るのがやや難だけど、それで良し。
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