「ただ、淡々と」そこのみにて光輝く M hobbyさんの映画レビュー(感想・評価)
ただ、淡々と
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綾野剛、池脇千鶴、菅田将暉。
皆さん素晴らしいです。
高橋和也さん、素晴らしいですが役が非情で、くそ人間だったので、出てくる度にイラッとしましたよ。そのくらいリアリティを感じました。
「生きる」と言う事に焦点が当たっていたように感じました。メインの3人はそれぞれ、事故で部下を亡くした達夫(綾野)、殺人事件を起こし仮釈放中の拓児(菅田)、家族を養う為に身体を売る千夏(池脇)。3人とも生き方が苦しく、生きることを諦めているようでいながら、やっぱりもがいている。そういう、人間臭いところが存分に描かれています。
それから、"愛"を感じる場面はとても丁寧です。
達夫と千夏、千夏と拓児、拓児と達夫(ここは愛というより情という感じ)
なんとなく感じたのは、言葉で相手を救うのではなく、どれも行動で示されているようでした。
ラストシーンも、どんな言葉が?と期待しましたが、やはり言葉は発せられることなく、でも優しさが伝わる。
日本人的な印象を持ちましたが、とても良かった。
自分の今いる場所に決して満足はしていないのに、それを見ないフリをして過ごしているのは見ていてこちらが辛く、虚しくなる。
そういう人間を利用するクズ野郎もいますが、そこに頼るしかないという負の関係。きっと日本の中にもたくさん存在するのでしょうね。
それが一番悲しい。
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