「孤島密室…陸海空のスペクタクル!」相棒 劇場版III 巨大密室!特命係 絶海の孤島へ しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
孤島密室…陸海空のスペクタクル!
「相棒」劇場版シリーズ第3作。
テレビ朝日開局55周年記念作品。
ノベライズは既読です。
民兵の基地が存在している東京都の孤島・鳳凰島(ほうおうじま)で発生した死亡事故。その調査に赴いた警視庁特命係の杉下右京と甲斐亨は、それが事故では無く殺人事件だと云う疑いを持つ。次第に明らかになる警察庁、陸上自衛隊、政府が絡んだ陰謀―孤島に交錯する巨大な闇に挑む!
いつもの都会を離れ、密林が広がる絶海の孤島へ…
民兵の基地と云う、ある意味敵地のど真ん中でアウェーの捜査となりました。が、蒸し暑い島でも普段のスーツ姿を崩さない右京さん。ちゃんと紅茶セットを持ち込んでいました(笑)。
あらすじだけを見ると興奮必至な内容のように思えますが、観てびっくりな肩透かし感があったことは否めません。
"相棒史上、最高密度のミステリー。"と云うキャッチコピーでしたが、別段そんなこともない気がしました。元日スペシャルの方が密度濃いのではないでしょうか?
ある事件の捜査が国家を揺るがす大規模な陰謀劇へ発展していく展開はスリリングでしたが、テレビシリーズでもそう云った類の話はいくつもありますし目新しさは無いので、いつも通りだね、くらいのテンションに落ち着いてしまいました。
劇場版ならではのスケール感は抜群でした。
陸海空と縦横無尽に右京さんとカイトくんが駆け回り、権力の妨害顧みず、不屈の意志を持って事件解決に奔走しました。陸上自衛隊の特殊作戦群に襲撃されるなど、ちょっとしたアクションも有り。気絶する右京さんが面白い(笑)。
日本映画初、4Kカメラで撮影されたと云うこともあり、ジャングルの中や海でのシーンは結構綺麗でしたし、スクリーン映えのする迫力があるなと思いました。
国防と云う未だ答えの出ない我が国の抱える問題に真っ向から取り組んでいて、さすが社会派エンターテインメントだなと思いました。しかし、「相棒」もとい刑事物の常で結局答えは出ず、「この先なんとかなりますよ」的な宙ぶらりんのままでエンディングを迎えました。「相棒」的解釈―右京さんなりの考えを提示しても良かったのではないかなと思いました。
※鑑賞記録
2014/10/08:DVD
2015/04/19:日曜洋画劇場特別企画
2016/10/09:日曜洋画劇場特別企画
※リライト(2021/01/07)