「最後に大どんでん返し」ロスト・ボディ bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)
最後に大どんでん返し
スペイン映画というのは、今まであまり観た記憶はないが、前半から散りばめられた布石を、最後の最後で、畳み掛けてくるように回収していく、意外な真相に引き込まれる作品だった。
殺したはずの死体が無くなるのは、ホラー的な恐怖を煽るミステリーとしては、よくある内容。またそこに、不倫と財産相続を絡めた殺人事件のサスペンスを盛り込むのも、それほど珍しくはない展開と、中盤までは思っていた。
しかし、しかし、最後の謎が解かれた時に、観る者は、まんまと製作者の罠に、騙されていた事に気付かされる。
年上の大富豪の女性との曰く付きな結婚生活に、嫌気がさし始めた大学教授の男の前に、突然現れた美女。次第に心惹かれあい、男女の仲に。そして2人に生まれた邪魔な妻の殺害計画。そして、決行!
完全犯罪かと思いきや、旦那を犯人と睨んで執拗に追求するベテラン刑事。そのあまりにも、鋭い眼光に、ただならぬものは、感じさせながら、その刑事もまた、妻を事故で亡くすという、悲しい過去を背負っていた。
作品としては、一夜限りの刑事と旦那との真相に迫る駆け引きが展開されていくが、そこに辿り着くまでの軌跡が、大変重要なキーとなり、大どんでん返しのラストへと繋がっていく。
コメントする