「秀逸。デ・パルマ賞をあげたい。」ロスト・ボディ じきょうさんの映画レビュー(感想・評価)
秀逸。デ・パルマ賞をあげたい。
アマゾンプライムで視聴
題名からヒッチコック、またはブライアン・デ・パルマの映画みたいなやつかなと想像した。いや実際、その資格はあると思う。
惹起のトレーラーもホラー。
死んだはずの妻の遺体が消える。遺体は歩かない・・・はず!
前に、「ジェーン・ドウの解剖」という、やはり遺体安置所での話があったけど、まあ、あれはホラーからのブードゥーという、トンデモ感満載のやつだった。(遺体はとても美しいけど)
でもこちらは、生きているとしか思えない展開が怖い。
金持ちの嫁さんに頭が上がらない旦那が、浮気相手の美人学生と嫁さんを亡きものにしようと計画し、後で証拠がわからない薬物を使って殺害する。ここまではある意味ベタベタ。
さて、遺体安置所で解剖を待つ奥さんの遺体が消える。さあ大変。遺体安置所に行くと、警察にわからないようにメッセージがそこかしこにある。遺品の中の毒、モルグに閉じ込められたかと思うと遺体袋の中から思い出の曲が。きゃあ!
その携帯が嫁さんの携帯。早速美人学生と連絡を取る。トイレに行けば思い出のパーティー招待状(もはや確信)。思い切り証拠なのでちぎって便器に捨てるが流れないOMG!そして、拾って食べる(笑)
中略
結局、旦那は心当たりのない証拠が上がり、美人学生に危機が迫っていることもあり自供。「全部話すから美人学生を助けて!」
というわけだけど、そこかしこに、冒頭で登場する警部(ちょっと筒井康隆みたいな)の亡くした嫁さんの話が挿入されるのが不思議だった。
そしたら、キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!最後にすべての伏線を大回収して、この話の様相が全く変わってしまう。まるで、Mission-Impossibleばりの複層的な構造がわかり、カタルシスー!
実によくできた映画的寓話とも言うべき逸品。
やっぱりこれは、デ・パルマ的なスペイン映画でした。
日本映画もこれくらいのもの作れないのかね。でも、これをリメイクしても、渋い役者しかいないので、年増の妻か美人学生のネ果位しかお客を呼べないかな?日本人ミーハーだから。警部は役所、旦那は山本耕史、その妻宮沢りえ、美人学生は小松菜奈でやればどうかなあ?