「出てこい!マザー」オー!ファーザー ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
出てこい!マザー
伊坂幸太郎原作の映画化。
原作はいつも読まないんだけど、映画だけは観ている。
で、いつも大変楽しませていただいているクチ。
となれば今作も、とかなりの期待をして観に行った。
うーん…。
面白いといえば面白いし、優しくて温かくてほっこりする。
そんな話だったけど、
もっとサスペンスだろうと勘繰っていた私は、最後まで
アレ?これだけ?という感じで、呆気にとられてしまった。
物語は冒頭からおそらくあるだろうと伏線探しに燃えつつ、
下らない会話や父親4人との何ともアットホームな風情に
撒かれつつ、どうなるんだろな?あのカバンと同級生が鍵?
などとコツコツ考えながら観ていったんだけど…
確かに後半の種明かしでスッキリはする。
あーそういうことね、だから○○だったのか。と納得する。
が、そこへ「これがメイン」の父子愛情物語が展開するので、
あ~メインはこっちなんだ、やっぱり。と気持ちが流れる。
コメディだと銘打っているのだし、吉本芸人も絡んでいる
のだから、お笑いには十分な面子だろうと思う。
じゃあ〆に母親4股事件の真相というか、
その知代さんというお母さんの顔も是非観たかったところ。
なんだか全体的に消化不良で終わってしまった感が残る。
お父さん方4人の演技は面白いし、岡田君も制服で絶好調、
忽那汐里も良かったと思う。なんといっても個人的にはあの
富田林さんだけど(名前だけで面白い)あの人がサスペンス?
駿河太郎もおかしな喋り方で頑張っていた。
母親不在でも父親があれだけ熱心に息子に奉仕してくれたら、
息子もグレるヒマないだろうなーと思う。愛情溢れる素敵な
父親たちだ。学芸会のような台詞回しも、それで由としよう。
私的に面白かったのは、お隣の佐藤さんがお醤油貸して~と
来たあたり。未だに貸し借りするなんてまず怪しいよねぇ?と
そこを全くスルーして淡々と進む犯人たちの粗雑さに失笑した。
(父親とロクに会話できない自分には目が眩みそうな父子像で)