女っ気なしのレビュー・感想・評価
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決して記号化されることなく
奇妙なことに映画において管理されているはずの時間が自然的なものとなっている
独特の手ブレや挿入されたショットが起きた出来事の関係性をしなやかに変えていく
形而下の出来事がそのまま表象される
決して記号に置き換えられることのなく
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映画名が合ってない(笑)
もてないわけではない男の恋
2011年。ギョーム・ブラック監督。独身の男はバカンスにやってきた母娘の世話をするうちに親しくなっていくが、母親の方は知り合いの警察官と仲良くなっていき、、、という話。
たった1時間で充実した気分が満ちてくる作品。親切だが内向的な男と派手好きな母親との関係はぎこちないまま進展しないが、他の男と親しく接するようになる母親を見ている娘に親切な男への微妙な心理が生まれていく過程が繊細さと大胆さを合わせた豊かな描写で描かれる。娘の変化は自らの唐突な恋心の発露とはとらえ難く、母の態度への申し訳なさを晴らそうとするようでもあり、正義や公正さに身を捧げる若者らしい一途さでもありそうな、制御できない、なんだかわからない「切なさ」のようだ。こんな微妙な心持ちが、明確にそれとわかるように描かることがすごい。
タイトルが「女っ気なし」(原題を直訳すると「女のいない世界」)だし、主人公の自己認識もそうなので、もてない男の話のようにみえるが、主人公が2人の女性を惹きつけているのは間違いない。つまり、もてている。この映画内ではセリフとして「まっすぐに見つめる澄んだ瞳」と言われるだけで描かれはしない主人公の眼差しは、前作「遭難者」で斜め正面からしっかり捉えられているので、もてないわけではない男であることを知るためには、「遭難者」を見るとよいかも。
好み
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