「魔女の(狂気の)宅急便」魔女の宅急便 SANさんの映画レビュー(感想・評価)
魔女の(狂気の)宅急便
あくまで凡人の意見として捉えておいてください
まずこの映画、とても笑えました
序盤からどんがらがっしゃんと音を立て破綻していく設定
どういう経緯でこうなってしまったのかと、頭がハテナマークだらけになっちゃうようなツッコミ満載シナリオ
ある意味そこら辺のサスペンス系より謎多いかも
例えば、この作品の世界は時代設定からすると昭和の港町をモチーフにしたような町並み・住民の容姿をしているんですが
序盤で登場する後々キーパーソンになるであろう飼育員アンチャン
がなぜか今風のちょっとチャラい奴だったり
主人公のキキがなぜか知らんが家にいたのに次の瞬間、場面展開して動物園の園内に無断で寝泊まりしちゃってたりと、ギャグ満載です
その上、カバの体調不良をキキに無理やりこじつけして八つ当たりしまくる飼育員アンチャン、もはや狂人である。無理やりこじつけ過ぎてキキが悲惨すぎる笑
ここまで狂気しか伝わってこないが・・
しかし、魔女の直球便の恐ろしさはとどまるところを知らない
一番自分が興ざめしたポイントを言うと、脇役三人の女の子が公園のベンチに座り友達の陰口を叩いてるというシーンで、その被害者である友達からキキは三人に手紙を届けてほしいと依頼される、しかしキキが話しかけるやいなやさっきまでリアルなトーンで陰口を言っていた三人が眼の色を変え「魔女の呪いがー!」と叫びその場を逃げるように去っていく。
というのもキキは現実離れした健気で少しおてんばなキャラ設定(ここはなぜか多少オリジナルに近い)なのでこの時の会話の温度差が遥かに違いすぎて、そもそも陰口を平気で叩くような人らが魔女の呪いなんて迷信じみたもんを簡単に信じこんでしまっているのが滑稽で仕方がない
ここまで思ったのがさっきの脇役のアンチャンもこの子達もほんと役回りが酷すぎてかなり不憫に思いました笑
終盤なんてもう(ここにきて)別物。キキとメガネがハリー◯ッターよろしく悪天候の中高速飛行している最中なぜかビックマダムが歌い出す、もうそれ洋画じゃんって思えるくらい過剰に無駄な迫力を演出。かたや、窓越しに子供が「オネェチャン、ガンバッテー」と棒読みで言わせたの丸わかりだし
酷いのなんのって・・
曲自体はR&B調で歌声もすごく綺麗ないい曲でした、個人的には歌はいいと思います
あとこの作品の目玉であろう豪華なCG飛行なんですが、上出来過ぎてもはや何も言うことがありません笑
唯一評価できるシーンは、メガネ君がキキを挫折から救ってあげるところ。ああいうのは正直ほっこりしました
あと、主役の小芝風花さんの演じるキャラは何となくマッチしてたというか、スクリーンデビューにしては中々いい感じだと思います
一番の問題は数あるジブリ作品の中でなぜ洋物ファンタジーを選んでしまったのか、「もののけ姫・千と千尋の神隠し」など日本でやる分には持って来いの東洋ファンタジー系が多数存在するにも関わらず、なぜこれを!
ED曲からして狙ってる層はバリバリ解るんだが、これで実写化は日本じゃ無理があったんじゃないかと・・
多少オリジナルで行ってる部分は認めますが、原作を知ってる身としては始終目も当てられないような状況の連続で、何度も観るのを躊躇いましたわ
ジブリ原作の作品に敬意や愛を表す以前の問題
とてもじゃないけどトリビュートとは言えない出来
子供が頑張っていたので1.5!