「スーパーフライ!」マッキー 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
スーパーフライ!
殺された青年がハエに生まれ変わり、愛する女性を守る為、自分を殺した悪漢に復讐する。
あの奇想天外な「ロボット」を生み出したボリウッドからやって来た、これまた奇想天外なアクション・コメディ!
幽霊となって恋人を守る名作ラブファンタジーはあるけど、こちらはハエ!
“蟻男”のヒーロー映画はあるけど、こちらはハエ!
ハエ男と化すホラー映画はあるけど、こちらは普通のハエ!
いい意味でよくこんな馬鹿馬鹿しいアイデア思い付いたもんだと脱帽。
インド映画界の自由さが窺い知れる。
先にも述べた通り、普通のハエ。
スーパーパワーなんて無い。
ハエの世界は危険がいっぱい。
水が流れれば大洪水、鳥に襲われるわ、手のひらで簡単に吹き飛ばされるわ、ましてや殺虫剤なんて言語道断!
こんなんで復讐なんて出来る?
…皆さんは“うるさい”を漢字で書けるだろうか?
“五月蝿い”と書く。
ハエが周りを飛んででうるさいと感じた経験は誰にもある筈。
そう、これが武器!
ハエなら、ハエならではのやり方で!
四六時中まとわりつき、とにかくしつこい!
復讐心を持ったハエだからさらに質が悪い。
復讐はどんどん過激にエスカレート。悪漢にとっては冗談抜きに命の危機。
ちょっとネタバレだが、愛する女性に自分がハエに生まれ変わった事を分かって貰えてからは、協力な味方に。
彼女発明の殺虫剤用のマスクを付け、筋力トレーニングを積み、“スーパーフライ”となって(?)怖いものナシ!
最初の30分は退屈だが、ハエに生まれ変わってからは俄然面白い。
悪漢が本当に嫌な奴なので、復讐される様はスカッと爽快。
勿論ただ復讐されるだけじゃなく、遂には正体がバレ、彼女の身に魔の手が迫り…と、単純だがきちんとメリハリある。
ハエの復讐はやりようによってはホラー。
ハエに生まれ変わった事をあっさり受け入れるヒロイン。
ツッコミ所満載だが、それも本作の魅力。
ハエのビジュアルは結構リアルだけれど、戦って、笑って、悲しんで、歌って踊って、ヒロインを愛して、この主人公(ハエ)が好きになってしまう。
今、あなたの周りにいるハエもひょっとしたら誰かの…!?(笑)