椿姫ができるまでのレビュー・感想・評価
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歌声、天使のよう
オペラ大好きのわたしですが、「椿姫」は好きな演目ではなかった。大岡昇平は「椿姫」大好きでかかるとみにいくとエッセイに書いていた。そのとき、わたしはなんで?と思ったものだ。
だが、今回、この映画をみて、「椿姫」がわかったような気がする。
さて、映画の内容。
ナタリー・デセイって、感覚的にぱっとつかんでいくんですね、演出家のいうことを。日本では、演じる人が演出家にきっちりとモノいうなんて、反抗するなんて考えられないじゃない。
でも、フランスは違う。
ナタリーは、理屈を並べる演出家の言い分に、ジョークで対抗したりする。演出家の方は、ぼそっと「それ面白くない」
才能と才能が絡んで、舞台創る瞬間を映画はとらえている。
「不思議だわ」というたった一言の解釈をめぐって、ナタリーは迷い、演出家に苛立ちをぶつけたりする。
しかし、すごいのは、いったんわかったとなると、ぱっと意図をつかむナタリーは、まるでやすんでいた白鳥が舞い上がるように歌い出す。
その瞬間、わっと思う。
ああ、これは神様のくれた天使の歌声なんだと思った。
ジャンルとしては、美しくて知的な映画だと思う。
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