「イレーザーヘッドばりの・・・。」R100 覇岩丸さんの映画レビュー(感想・評価)
イレーザーヘッドばりの・・・。
僕は満点でした。
一般的な評価については、ほかの方のレビューでも
言われている通り、話に脈略が無さすぎる。きつすぎて笑えない。
松本信者の方でもすげえ面白かった!、おもんなかったが激しく分かれる
作品だと思います。
93年に、松ちゃんが作った問題作「頭頭トウズ」。
ひたすらシュールな映像のオンパレード&ツッコミなし。
ごっつが大好きだった僕は「笑えない。酷い作品作ったな」
と終始思っていました。
今回の作品でも似たような現象が起きていますね。
頭頭の最後に、特典映像として出演者のコメントがついており、その中で
「笑いの種類はワハハと笑うだけでは無い」と明言されておりました。
また、落語の桂枝雀さんが笑いの方程式は全て「緊張と緩和」であると
言っております。もちとん松本監督も何かのインタビューで笑いは緊張と
緩和であると言っておりました。
(詳しくはYOUTUBEを見て下さい)
「緊張と緩和」まっちゃんが作ってきたコントは緊張の線がスレスレ
(見ている人の緊張の線を超えると笑えなくなる)
だなあと思う作品をたくさん生み出してきました。
前半部分は緊張ばかりでそれにつりあう緩和が無く、頭頭の時と同じく
心の片隅で不思議な笑いがおこっていました。
後半部分には緩和のポイントが多数設けてあり、導入部分の緊張がほぐれ
大爆笑です。
(完結型の大衆娯楽映画を期待してきた人は何が面白いか分からないと思います)
映画のポイントですが
①自分でツッコミを入れながら見る
「緊張と緩和」の法則
②デビットリンチのイレーザーヘッドが好きな人は好きだと思う
③支配人が何故薬を飲んでいたか、しきりに地震だと言っていたか、監督は何者だったのか
謎を推理しながら楽しむ
自分で妄想し、つじつまやボケ、ツッコミを考えながら補完していく
超自由かつ挑戦的な作品だと思います。
全ての答えを観客に与え、考えさせることが無くなった今の映画には
とうてい理解できない世界だと思います。
全ての答えを映画に求めたつまらない意見を気にせず
次回作はもっといかれた面白い作品を作っていただきたいです。
ミニシアターで挑戦したほうがいいと思う。
PS小学生がみにきてさすがに困りました。