「あくまで序章 大役を担ったJJの奮闘」スター・ウォーズ フォースの覚醒 りぷ太郎さんの映画レビュー(感想・評価)
あくまで序章 大役を担ったJJの奮闘
20世紀フォックスのファンファーレが鳴り終わり、巨匠ジョン・ウィリアムズが手掛けたテーマソングが鳴り響く。
その様な始まりはもう二度と見れないと思うと不満もあるがそれはさておき、一通り完結したジョージ・ルーカスのSWを引き継ぎ、世の中にどれほどいるかも想像できないファンの期待も集まる中、大役を担うこととなったエイブラムス監督。
お馴染みのレンズフレアは連発したわけだけど、「JJらしさ!」的なものは感じられなかった。
それもそのはず、あくまでSWはジョージ・ルーカスのものであり、ファンのものだから。ファンの期待を裏切らず、新たな物語として作らなければならないという無理難題。
かなり上手いこと出来たんじゃないかなと感じる。ファンならニヤリとしてしまうシーンやセリフが盛りだくさん。
だからと言って新規ファンを置いていくわけでもなく、あくまで分かる人には分かるセルフオマージュ。
「嫌な予感がする」など旧作品からのお馴染みのセリフ回しも引き継いでいた。
なにより、新SWで1番の難題はダース・ベイダーという完成しきった悪役をどう超えるかということ。
これが個人的に脚本の良さを感じた。
エピソード6ではダース・ベイダーはラストに息子を救うためにライトサイドへ戻った。
この血を受け継ぐカイロ・レンはその遺伝子のせいなのか、振り切ってダークサイドに立てない「未熟さ」がある。
エピソード2でアナキンがダース・ベイダーになっていたら、こうなんだろうなと感じる。
これもあえてのことだろう。
オールドファンへのお誂えも、新規ファンの獲得も良くできていると感じた。
BB8や戦闘シーンで垣間見えるディズニーらしさもクドくなく悪くなかった。
あくまで序章であり、あくまで今作はノスタルジーを感じさせた上で再出発という位置付けにある。
賛否両論ではあるが、なによりこうしてSWがああだこうだと言えることが楽しい。
話は逸れるが、シンデレラ城に流れ星が降ってくるディズニーの宣伝映像は全くなかった。
これは20世紀FOXのファンファーレから、SWのオープニングに入るのが好きな僕の様なファンに対する配慮なのだろうか?